高収入な独身者は1年以内に恋人を見つける可能性が高いことが判明

現代では先進国を中心に晩婚化が進んでいますが、「結婚したくない」と思っているわけではなく、機会があれば結婚したいと考えている独身の人もいるはず。独身者の収入と交際状況を調べた新たな研究では、独身で高収入だと、調査から1年以内に交際を始める人が多かったことが明らかになりました。
Making (Enough for) Love: The Association of Income and Relationship Readiness - Peetz - Journal of Marriage and Family - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jomf.70000

Higher income may boost the odds of finding a romantic partner
https://www.psypost.org/higher-income-may-boost-the-odds-of-finding-a-romantic-partner/
近年は独身世帯が一般的なものとなっており、アメリカでは成人のほぼ半数が独身であると報告されているほか、カナダでも単身世帯が最も一般的な世帯形態となっています。しかし、収入と人間関係に関する研究の多くは結婚している人々やカップルを対象にしており、交際関係を持たない人々の生活や態度に対し、収入がどのような影響を及ぼしているのかはあまり知られていません。
そこでカナダのトロント大学とカールトン大学の研究者らは、経済的に余裕のある独身者は独身生活に満足しているのか、それとも恋愛関係を持つことに意欲的なのかどうかを調べました。過去の研究では、人々は長期的な恋愛関係を築く前に経済的に安定したいと望んでいることが示唆されていたものの、独身の人々にどのような影響を及ぼすのかはわかっていなかったとのこと。
1つ目の研究はアメリカで行われ、オンラインで募集した25~35歳の独身成人638人を対象に、「年収」「独身生活の満足度」「恋人に求める条件」「恋愛を始める準備ができているかどうか」「6カ月以内に恋人を見つけたいと思うか」といった項目を調査しました。また、被験者の約60%は6カ月後の追跡調査にも回答し、その期間中に恋愛関係が始まったかどうかを回答しました。
2つ目の研究では、ドイツで実施された「German Family Panel(ドイツ家族パネル)」という縦断調査のデータを用いました。このデータには、10年以上にわたり「収入」「交際への態度」「恋際状況」を報告した2774人の独身者が含まれており、研究チームは収入状況の変化と1年後の交際状況との関連性を調べることができました。

分析の結果、高収入であることと独身生活の満足度との間には、2つの研究のどちらでも関連性がみられませんでした。つまり、収入が高い人は低い人よりも独身生活に満足しているという傾向はなかったというわけです。
一方、高収入であることは「恋愛への強い欲求」「デートに向けた準備ができているという認識」「近い将来に交際を始めたいという意思」と関連していることが判明。アメリカの調査では、高所得の独身成人は今後6カ月以内に恋人を作りたいという欲求が強く、実際に6カ月後の追跡調査までに交際を始める確率も有意に高かったと報告されています。
また、ドイツの調査でも同様の結果が得られました。収入が高い独身者ほどパートナーを求める傾向が強く、収入が高い独身者ほど1年以内に交際を始める確率が高いことがわかりました。なお、収入と交際関係が始める確率に及ぼす影響は、男性の方が女性よりも大きかったものの、男女間でそれほど大きな差はみられませんでした。
興味深いことに、「収入が前年より増えたかどうか」は、交際を望む意欲や実際の交際関係にほとんど影響を及ぼしませんでした。より重要だったのは現在の収入レベルであり、これは短期的な経済状況の変化よりも経済的な安定性が、交際への意欲に影響を及ぼしていることを示唆しています。
論文の共著者であるトロント大学の心理学教授ジェフ・マクドナルド氏は、「若い人々は不安定な経済状況の中で合理的な計算をしていると思います。週80時間も働いていたり、来年どこに住んでいるのかもわからなかったりする状況では、恋愛を楽しむことができないと人々は理解しているのでしょう」と述べました。

なお、今回の研究はあくまで収入と交際との関連性を示したものであり、個人の性格や文化的価値観、その他の社会経済的要因も結果に影響している可能性があります。また、研究はいずれも比較的個人主義的な文化を持つ欧米諸国で行われたものであるため、結婚が家族の期待などとより密接に結びついている文化圏では、また異なる結果が出るかもしれないとのことです。
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