9~17歳までの子どもの64%がAIを使用しており35%が「友達と話しているような感覚」と回答、12%は「他に話せる人がいないためAIと会話している」と回答

子どもたちをインターネット上で安全に保つための取り組みを支援する非営利団体のInternet Mattersが、9~17歳の子どもがChatGPTやCharacter.aiといったチャットAIをどのように使用しているのかに関する調査レポートを公開しました。このレポートによると、子どもたちはこれまで以上にチャットAIと友情を育んでいることが明らかになっています。
Me, Myself & AI: Chatbot research | Internet Matters
https://www.internetmatters.org/hub/research/me-myself-and-ai-chatbot-research/
Vast Numbers of Lonely Kids Are Using AI as Substitute Friends
https://futurism.com/lonely-children-ai-chatbots
Children in Ireland and UK turning to AI chatbots as friends due to loneliness | Irish Independent
https://www.independent.ie/business/technology/children-turning-to-ai-chatbots-as-friends-due-to-loneliness/a1764637196.html
Kids Are Using AI Chatbots for More Than Homework, Often Without Enough Oversight
https://windowsreport.com/kids-are-using-ai-chatbots-for-more-than-homework-often-without-enough-oversight/
Children are forming emotional bonds with AI chatbots, report says - Neowin
https://www.neowin.net/news/children-are-forming-emotional-bonds-with-ai-chatbots-report-says/
2025年7月、Internet Mattersが「私と私自身とAI」という子どもがチャットAIをどのように利用しているかについて調査したレポートを公開しました。Internet Mattersは年2回、イギリスの9~17歳の子ども1000人と、3~17歳の子どもの親2000人を対象に、アンケート調査を実施しています。今回のレポートでは、子どもとチャットAIの関わりを含め、子どものインターネット上でのさまざまな体験に関する質問が行われました。
アンケート調査の結果、約67%が「チャットAIを定期的に利用している」と回答しています。ユーザーの35%がチャットAIとの会話を「友達と話しているような感覚」であると回答。さらに、ユーザーの12%は「他に話せる人がいないためAIと会話している」と回答しました。
アンケートに回答した13歳の少年は、「僕にとってはゲームじゃないんです。だって、AIは本当の人間、友達のように感じられることがあるからね」と、チャットAIが本物の友達のように感じられると語りました。他にも、アンケート回答者からは「誰かと話したいのに、話せる人がいない時に役立ちます」「友達や家族とコミュニケーションを取るのに役立っています」といった声が寄せられています。
以下のグラフはアンケートに回答した子どもたちがどういったチャットAIを利用しているかを示したもの。最も使用されているのがOpenAIのChatGPT(43%)です。以下、Gemini(32%)、My AI(31%)、Microsoft Copilot(20%)、Character.ai(8%)、DeepSeek(8%)、Perplexity(5%)、Grok(5%)、Replika(2%)の順に続きます。

以下は、子どもたちがチャットAIを利用する理由についてまとめたグラフ。最も多い理由が「宿題の手助けのため」(42%)で、以下「情報を見つけたり何かを学んだりするため」(40%)、「好奇心」(40%)、「単なる楽しみや逃避のため」(24%)、「アドバイスを求めるため」(23%)、「会話するため」(18%)、「友達が欲しいから」(6%)、「心のケアやセラピーを求めて」(3%)と続きます。

以下は、脆弱な子ども(紫色)とそうでない子ども(水色)のチャットAIの利用傾向を比較したグラフ。なお、「専門的な支援を必要とする身体的・精神的な健康状態を持つ子ども」が脆弱な子どもと定義されています。脆弱な子どものチャットAI利用率は71%であるのに対して、脆弱ではない子どものチャットAI利用率は62%でした。さらに、脆弱な子どもはCharacter.aiやReplikaのような明確な人格を備えたコンパニオンスタイルのチャットAIを好む傾向も明らかになっています。

他にも、チャットAIの利用率は年齢と共に増加することも明らかになりました。9~11歳の子どものチャットAI利用率は53%であるのに対して、15~17歳の子どものチャットAI利用率は67%です。
チャットAIを利用する理由を脆弱な子ども(紫色)とそうでない子ども(水色)で比較すると、脆弱でない子どもは「宿題の手助けのため」(44%)や「情報を見つけたり何かを学んだりするため」(40%)にチャットAIを利用する傾向が高いのに対して、脆弱な子どもは「好奇心」(44%)からチャットAIを利用する傾向にあります。

以下は、子どもたちがチャットAIに対して抱く意見を脆弱な子ども(紫色)とそうでない子ども(水色)で比較したグラフ。「AIチャットボットと話すと幸せな気分になる」と回答したのは、脆弱な子どもが53%、そうでない子どもは33%。「AIチャットボットと話すのは、友人と話すようなものだ」と回答したのは、脆弱な子どもは50%、そうでない子どもは31%。「本物の人間よりもAIチャットボットと話したい」と回答したのは、脆弱な子どもが26%、そうでない子どもは12%。「AIチャットボットを使っているのは、他に話す相手がいないからだ」と回答したのは脆弱な子どもが23%、そうでない子どもは9%です。

以下は、子どもがチャットAIを利用することに対して、親が抱いている懸念の中で特に多いものをまとめたグラフ。「子どもたちがチャットAIと性的な会話や年齢にそぐわない会話をすることを心配している」が49%、「子どもたちがチャットAIを通じて、危険な考え(自傷行為、自殺念慮、薬物摂取など)にさらされることを懸念している」が51%、「子どもたちがチャットAIを本物の人間と信じるかもしれない」が60%、「子どもたちのチャットAIの使用時間が長すぎる」が62%、「AIが生成する情報の正確性が心配」が62%、「子どもたちが学業をAIに頼るようになる」が64%です。

以下はAIについて親が子どもと交わした会話内容の中で特に多いものを抜粋したグラフ。「AIは本物の人間ではない」が51%、「AIで何ができるか」が48%、「将来AIがどのように活用されるか」が38%、「AIとは何か」が38%、「AIをどのように使うべきか、あるいは使うべきではないかについて」が37%、「AIが作成したコンテンツが真実かどうかを判断する方法」が34%、「個人に起こり得る潜在リスク」が31%、「社会および世界にとっての潜在的リスク」が30%です。

なお、58%の子どもがGoogle検索よりもチャットAIに質問することを好むと回答していますが、この結果についてテクノロジーメディアのWindows Reportは「必ずしも信頼できる回答を返すわけではないチャットAIを、子どもたちがどれだけ頼りにしているかという懸念を提起しています」と指摘しています。
また、Internet Mattersの調査ではMy AIやChatGPTといったチャットAIが、子どもたちにふさわしくないコンテンツや、露骨な表現を返すことが時折あったと報告されており、フィルタリングシステムが完全に機能していないケースも見受けられたと報告されています。
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in ソフトウェア, サイエンス, Posted by logu_ii
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