TSMC熊本第2工場の建設遅延はアメリカへの投資を優先するためか

by 李 季霖
台湾の半導体メーカー・TSMCは2024年に熊本県に工場を完成させ、さらに第2工場も建設して2027年末に操業を開始する予定です。ただし、工場の建設計画は延期になっていて、魏哲家CEOは交通渋滞を原因として挙げていますが、ウォール・ストリート・ジャーナルは関係筋情報として、「トランプ関税」前にアメリカでの事業を拡大する予定だからだと報じています。
Exclusive | TSMC to Delay Japan Chip Plant and Prioritize U.S. to Avoid Trump Tariffs - WSJ
https://www.wsj.com/tech/tsmc-to-delay-japan-chip-plant-and-prioritize-u-s-to-avoid-trump-tariffs-f623c07e
TSMC、熊本工場の着工延期か 対米投資拡大で―報道:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025070400994
TSMCは台湾に本拠を置く半導体メーカーで、半導体の開発や設計は行わず、製造に特化した「ファウンドリ」なのが特徴です。工場は台湾内に複数あるほか、アメリカ、日本、中国に置かれています。
このうち、日本の工場は日本政府から約4000億円の補助を受けて熊本県菊陽町に2024年に完成。また、同じく熊本県内に第2工場を作ることが決まっていて、日本政府から追加で7000億円以上が補助されています。
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by 李 季霖
しかし、2027年末に操業開始が予定されていた熊本第2工場の建設計画は遅れています。TSMCの魏哲家CEOは、第1工場ができたことによって発生するようになった交通渋滞を原因の1つに挙げ、状況が改善されるまで工事を延期する方針を示しています。
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by 李 季霖
ウォール・ストリート・ジャーナルは、TSMCが熊本第2工場の建設計画を延期している理由を、アメリカでの生産能力確保を優先したためだという関係筋の情報を伝えています。計画に詳しい関係者によると、建設計画はさらに遅れる公算が大で、再開時期の見通しはまったく立たないとのこと。
なお、日本政府側は、交通渋滞が建設計画延期の理由ではないと聞いているとのことで、2027年末の操業開始予定に変更はないと見込んでいるそうです。
ちなみに、TSMCはドイツにヨーロッパ初の工場を建設中で、2027年末に操業を開始する予定となっています。
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