悪夢を見る人は75歳までに死亡する確率が悪夢を見ない人より3倍も高い

26歳から74歳の成人4000人以上のデータを対象にした研究から、「悪夢をよく見る」と報告していた人は早死にのリスクが3倍高いことがわかりました。
EAN 2025: Nightmares Linked to Faster Ageing and Premature Mortality - EMJ
https://www.emjreviews.com/neurology/news/ean-2025-nightmares-linked-to-faster-ageing-and-premature-mortality/

Why frequent nightmares may shorten your life by years
https://theconversation.com/why-frequent-nightmares-may-shorten-your-life-by-years-260008
研究はイギリス認知症研究所のアビデミ・オタイク博士らのチームが欧州神経学会で発表したものです。
悪夢は神経変性疾患と長らく結び付けられてきましたが、健康や老化への影響はわかっていませんでした。今回、研究チームは大規模な集団ベースで行われた4つのコホート研究から抽出された26歳から74歳までの成人4196人のデータを分析し、合計18年にわたる追跡調査を行いました。追跡期間中に、227人が75歳未満で「早期死亡」しました。
オタイク博士らの研究チームが、悪夢の頻度と「早期死亡」との関連性を調べたところ、「毎週悪夢を見る」と報告した人は、悪夢を見ない人に比べて、早期死亡のリスクが3倍以上高かったとのこと。
また、頻繁に悪夢を見る人は、生物学的な老化の速度が著しく速かったこともわかりました。分析では、悪夢を見ることと早期死亡率の関係の約39%は生物学的老化の加速によって説明可能であることが明らかになり、悪夢によるストレスと睡眠の中断が細胞の老化過程に直接影響を与える可能性が示唆されました。

今回の研究は、悪夢が老化促進や早期死亡の改善可能な危険因子であることを認識し、対処することの重要性を強調するものだとのこと。
悪夢に的を絞って治療を行うことで、睡眠の質と精神的幸福が改善されるだけでなく、健康的に年を取っていくことや、死亡リスクの減少にも寄与する可能性があります。
悪夢を治療することで寿命が延ばせるかどうかはさらなる研究が求められるものの、日常的なヘルスケアにおいて、悪夢を積極的に管理していくことを支持する根拠は十分であると、欧州医療ジャーナルは述べています。
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in サイエンス, Posted by logc_nt
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