トランプ大統領がイーロン・マスクの国外追放を示唆、DOGEにマスク氏の調査を求める

ドナルド・トランプ大統領が自身のSNSアカウントで「イーロン・マスクは南アフリカに帰ることとなるだろう」と発言しました。

Truth Details | Truth Social
https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/114776149269773065

トランプ大統領が現地時間の2025年7月1日にTruth Socialへ投稿した文章が以下。「イーロン・マスクは、私を大統領に推薦するずっと前から私がEV推進に強く反対していることを知っていた。EVへの反対は私の選挙運動の主要な部分だった」「イーロンは歴史上最も多額の補助金を得ている人物だ。補助金がなければ、イーロンは店を畳んで南アフリカへ帰ることとなるだろう」「(補助金がなければ)ロケットの打ち上げも人工衛星もEVの生産もなくなり、我が国は大金を節約できる。DOGE(政府効率化省)にこのことをよく調べてもらえばいい。大金を節約できるのだ！！！」と述べてマスク氏の関連する事業への補助金打ち切りを示唆しました。

上記の投稿の後、トランプ大統領はFox Newsなどによる「マスク氏を国外追放するつもりか？」という質問に対して「検討する余地がある。イーロンにDOGEをぶつける必要があるかも知れない。DOGEって何か分かる？イーロンを食い潰す怪物だよ」と返答し、マスク氏がリーダーを務めたこともあるDOGEによる調査をマスク氏自身に適用する考えを示しました。

トランプ大統領の一連の発言に対してマスク氏は「これをエスカレートさせたい誘惑にかられるが、今は我慢する」とコメントしています。

マスク氏は2024年の大統領選挙以前からトランプ大統領を支持しており、選挙期間中には「投票した人に100万ドルを寄付する企画」を実施するなど大規模な応援キャンペーンを進めていました。トランプ大統領もマスク氏の貢献を認めており、大統領選挙の勝利演説の際にマスク氏を「新たなスター」と紹介したり政府の中枢に配置したりと良好な関係が続いていました。

「新しいスターが生まれました。イーロンです」とドナルド・トランプが米大統領選の勝利宣言演説でイーロン・マスクを大絶賛 - GIGAZINE

その後、マスク氏は2025年5月末に政権からの離脱を表明。離脱表明の時点ではトランプ大統領への感謝を示すなど政権を擁護する姿勢を見せていましたが、2025年6月には一転してトランプ大統領の政策を厳しく批判し始めました。マスク氏の批判に対してトランプ大統領がSNS上に「彼はおかしくなってしまった」と投稿するなど激しい応酬が続いています。今回のトランプ大統領の発言もこうしたマスク氏との対立が影響しているものと見られています。

トランプ大統領とイーロン・マスクが決別し「イーロンはおかしくなった」「トランプはエプスタインファイルに名前がある」と応酬 - GIGAZINE

なお、現実世界の出来事を予測して金銭を賭けるプラットフォーム「Kalshi」には「イーロン・マスクは2025年中に新党を結成するか？」というお題が提示されています。「2025年中に新党を結成する」と予測する割合は2025年6月中旬以降は1桁％台で推移していたのですが、トランプ大統領の発言の直後に40％前後にまで急増しました。