サイエンス

つらい片頭痛の日数を2型糖尿病の治療薬が半減させる可能性があるとの研究結果


片頭痛は血管が拡張することによって、脈打つようなズキズキした痛みが生じる頭痛であり、吐き気・おう吐・光過敏症・めまいといった症状を伴うこともあります。つらくて寝込んでしまい日常生活に支障が出ることもある片頭痛の日数を、2型糖尿病の治療薬であるリラグルチドが半減させたという研究結果が発表されました。

Effectiveness and tolerability of liraglutide as add‐on treatment in patients with obesity and high‐frequency or chronic migraine: A prospective pilot study - Braca - Headache: The Journal of Head and Face Pain - Wiley Online Library
https://headachejournal.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/head.14991


Drug slashes migraine days by half in early trial — and it may work with completely 'new mechanism' | Live Science
https://www.livescience.com/health/medicine-drugs/drug-slashes-migraine-days-by-half-in-early-trial-and-it-may-work-with-completely-new-mechanism

片頭痛とよく似た症状を呈する病気として、頭蓋(ずがい)骨の内部に生じる圧力である頭蓋内圧が上昇してさまざまな症状を呈する特発性頭蓋内圧亢進症があります。特に、視神経の出口である乳頭が腫れる乳頭浮腫を伴わないタイプのものは、慢性的な片頭痛と臨床的に判別が付きにくいとのこと。これらの疾患の類似性は、頭蓋内圧と片頭痛との間に深い関連があり、頭蓋内圧のコントロールが片頭痛治療に有効な可能性を示唆しています。

2025年6月に医学誌のHeadacheに掲載された論文で、イタリアのフェデリコ2世ナポリ大学の神経科学者であるシモーネ・ブラカ氏らの研究チームは、2型糖尿病の治療薬であるリラグルチドを片頭痛患者に投与した実験の結果を報告しました。

リラグルチドは消化管ホルモンであるGLP-1の受容体に作用するGLP-1受容体作動薬であり、GLP-1受容体作動薬は頭蓋内圧を大幅に低下させることが示されています


実験では、肥満であり高頻度または慢性的な片頭痛を持つ患者31人に対し、最初の1週間は毎日0.6mg、その後の11週間は毎日1.2mgのリラグルチドを投与しました。これらの患者が実験の被験者に選ばれた理由は、他の片頭痛治療薬への反応が悪かったためだとのこと。

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in サイエンス,   無料メンバー, Posted by log1h_ik

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