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カンニングとチートで面接や営業など9つの業界を破壊するAIツール「Cluely」が本当にリリースされる


「なんでもチートする」ためのAIツールと宣伝されている「Cluely」が、ついにリリースされました。Cluelyはベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツからシリーズAラウンドで1500万ドル(約21億5900万円)の資金調達に成功したことも発表しています。

Why a16z VC believes that Cluely, the ‘cheat on everything’ startup, is the new blueprint for AI startups | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/06/26/why-a16z-vc-believes-that-cluely-the-cheat-on-everything-startup-is-the-new-blueprint-for-ai-startups/

AIスタートアップ・Cluelyの創業者であるチュンギン・リー氏は、IT企業のコーディング試験でAIを使ったことが問題になり、大学を退学処分になったという人物。リー氏は自身がコロンビア大学を退学することとなった原因であるAIツール「Interview Coder」をベースにCluelyを創業しており、同社はベンチャーキャピタルから530万ドル(約7億6000万円)の資金調達に成功しています。


なお、リー氏がコロンビア大学を退学処分となり、Cluelyを立ち上げることとなった経緯などは、以下の記事にまとめてあります。

就活でAIを使って退学になった元大学生がAIチートツール企業「Cluely」を起業し7億4000万円の資金を調達 - GIGAZINE


その後、Cluelyはベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツから、シリーズAラウンドに1500万ドルの資金を調達することに成功しています。

アンドリーセン・ホロウィッツのパートナーであるブライアン・キム氏は、以前は「非常に望まれる機能を備えた職人技の製品を作ることがスタートアップの成功の鍵である」と語っていました。しかし、生成AIの登場により優れた製品を提供するだけでは十分ではないことに気づき始めたそうです。

キム氏は「もし優れた製品を作っても、OpenAIか誰かがそれを自社製品に組み込むための新しいAIを構築してしまえば、それで終わりです。なので、AI時代には非常に思慮深く、時間をかけて開発される製品は存在しないのかもしれません。創業者が極めて迅速に行動できるようなものになる必要があります」と言及。

こういった考えから、キム氏はAI時代におけるスタートアップの成功に必要なものは、マーケティングであれ製品構築であれ、「スピードこそが最も重要」と考えるようになったそうです。キム氏はCluelyの創業者であるリー氏に会う前から、この考えを抱いていたとのこと。

しかし、キム氏がリー氏と出会い、Cluelyがリー氏の巧みな戦略により知名度を有料顧客へ転換することに成功したことを知り、リー氏こそが自分の考えに即したスタートアップの創業者であると考えるようになったそうです。

一方、リー氏は「ほとんどの人はバイラルコンテンツの作り方を知らない」とポッドキャストで語っており、TikTokやInstagramの投稿の一部がなぜ爆発的に人気が出るのかを研究したことがあると明かしています。この研究をベースにXおよびLinkedInでリー氏は自身とCluelyの名前を巧みに宣伝することに成功したと言及。

当初、Cluelyには実際に機能するプロダクトは何もありませんでした。そのため、インターネット上では「それでプロダクトはどこにあるの?」といった疑念の声も上がっていたそうです。しかし、実際のプロダクトをリリースする前に大々的に宣伝活動を行うことで、発表したプロダクトが大きな反響を呼ぶことになるだろうとリー氏は確信しています。

そして、Cluelyは2025年6月27日に初のAIツール「Cluely」をリリースしました。


Cluelyで可能なチートとして、以下の9つが挙げられています。

チートその1:不正会議機能
Cluelyを使えば自分の代わりにリアルタイムでメモを取ったり、質問を考えたり、質問に答えたり、映像にオーバーレイして目が泳がないようにしたりすることが可能。


チートその2:不正営業電話機能
Cluelyを使えば営業電話も簡単になります。Cluelyに顧客獲得のために必要な手順を説明させたり、リアルタイムで顧客からの異議申し立てに対する返答を生成させたり、営業に必要なフォローアップメールを生成させたり、テレビ通話中の自身の視線を画面の一点に集中させたりすることが可能です。


チートその3:カスタマーサポート不正機能
カスタマーサポートとして顧客と対応する際にも、Cluelyは役立ちます。Cluelyは会社のナレッジベース全体を完璧かつ即座に、リアルタイムに出力可能です。


チートその4:カンニング機能
Cluelyは講義のメモをリアルタイムで取ったり、抗議に関する質問を生成したり、リアルタイムで講義に関する説明を出力したりすることも可能。


チートその5インタビューチート機能
Cluelyはインタビュー内容をリアルタイムでメモしたり、インタビューで使える質問を生成したりすることができます。


チートその6:製品デザインカンニング機能
デザイン経験ゼロの人でも使える製品デザイン機能もあります。AIが常にデザインのフィードバックを提供してくれます。


チートその7:新しいソフトウェアの学習機能
Cluelyは新しいソフトウェアの使い方を覚える際にも使えます。実際、リー氏が自身のXアカウントでポストしているCluelyの機能紹介動画は、Cluelyを使ってAdob​​e Premiere Proの使い方を勉強したリー氏が編集して作成したものだそうです。


チートその8:不正面接機能
Cluelyでは、より深い知識を試すような質問を生成したり、実装エラーをリアルタイムで発見したり、面接に参加している候補者のあらゆる考えを評価したりすることが可能。


チートその9:通話時のメモ作成機能
Cluelyはすべての会話について、共有可能なAI生成要約を作成することができます。


なお、Cluelyは記事作成時点ではmacOS向けアプリとWindows向けアプリが配信されています。

Cluely
https://cluely.com/

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in ソフトウェア,   動画, Posted by logu_ii

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