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コールセンターの担当者が客から「AIじゃなくて人間を出せ」と言われる事態が多発中、一方で「AIの方がマシ」という意見も


AIの発展は急速に進んでおり、ロボットっぽさを抑えた自然な音声会話が可能なAIも登場しています。そんな中、人間のコールセンター担当者が客から「AIではなく人間の担当者に代われ」と言われる事態が多発しているそうです。

As AI Infiltrates Call Centers, Human Workers Are Being Mistaken for Bots - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-06-27/as-ai-infiltrates-call-centers-human-workers-are-being-mistaken-for-bots

Call Center Workers Are Tired of Being Mistaken for AI - Slashdot
https://it.slashdot.org/story/25/06/28/1740215/call-center-workers-are-tired-of-being-mistaken-for-ai

以下の動画はGeminiとリアルタイムで会話する様子を記録したものです。人間の質問に対して短い遅延で的確な回答を返していることが分かります。

GeminiアプリでAIと対話しながら料理のレシピを尋ねるところ - YouTube


上記のようにAIの音声会話能力はある程度のレベルに達しており、実際に「AIにコールセンター業務を代行させるサービス」を展開するテクノロジー企業も複数存在しています。しかし、記事作成時点では依然として人間の担当者を配置しているコールセンターの方が圧倒的多数で、ガートナーが実施した163社を対象にした調査でも95%の企業が「人間の担当者を使い続ける」と回答しています。

しかし、アメリカン・エキスプレスのコールセンター担当者として働いているジェシカ・リンジー氏はBloombergに対して「2年ほど前から『本物の人間と話したい』とか『あなたはAIですか?』と言われることが増えた」と証言しています。リンジー氏によると、「担当者と話す!(Speak to a representative!)」というAIへの指令のようなフレーズを連呼されることもあるとのこと。

リンジー氏はAIではないことを示すために「せき払いをする」「クスクス笑う」といった「AIには再現できなさそうな、いかにも人間っぽい音声」を出すように心掛けているとのこと。それでもリンジー氏が回答用の定型文を読み上げ始めるとユーザーがAIによる応答だと勘違いして怒り始め、最終的に電話を切られてしまうそうです。


Bloombergの報道の後、コミュニティサイトのSlashdotには「人間よりもAIに応答してもらった方がマシ」「人間のコールセンター担当者はAIと同レベル」といった旨の意見が数多く投稿されました。例えばあるユーザーは「AIと間違われることを光栄に思うべきだ。コールセンター担当者は『ユーザー』と『実際にユーザーを助ける権限を与えられた少数の社員』の間に設置された障害物に過ぎない」とコメントしているほか、「コールセンター担当者は顧客満足度を均一化するために条件分岐したマニュアルに従うように指示されており、スクリプト(台本)から外れた質問には回答できず、スクリプトに従うだけの自動人形のように振る舞う。コールセンター担当者の中にAIを混ぜても驚く人は少ないだろう」といったコメントも投稿されています。

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in ソフトウェア, Posted by log1o_hf

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