陰謀論者は自分の認知能力を過信しており他人も自分と同意見だと信じているという研究結果

有名な陰謀論の中には、「月面着陸は嘘」「ワクチンにはマイクロチップが入っている」「地球は球体ではなく平面」など奇想天外なものも多く、陰謀論を信じる人は少数派であることに誇りがあるのだろうと思っている人もいるはず。ところが、アメリカの成人4181人を対象とした研究で、「陰謀論者は自分の認知能力を過大評価しがちであり、少数派の陰謀論が他人にも支持されていると思っている」という結果が示されました。
Overconfidently Conspiratorial: Conspiracy Believers are Dispositionally Overconfident and Massively Overestimate How Much Others Agree With Them - Gordon Pennycook, Jabin Binnendyk, David G. Rand, 2025
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/01461672251338358

Conspiracy believers tend to overrate their cognitive abilities and think most others agree with them
https://www.psypost.org/conspiracy-believers-tend-to-overrate-their-cognitive-abilities-and-think-most-others-agree-with-them/
陰謀論者の増加が政治や社会に影響を及ぼす中、人々が陰謀論を信じてしまうメカニズムを知る重要性が高まっています。これまで、陰謀論を信じることには「自分を特別だと感じたい」「社会や政治の出来事を自分のアイデンティティと一致する形で説明したい」といった動機があるとされてきました。
ところが、コーネル大学の心理学准教授を務めるゴードン・ペニークック氏らの研究チームは、「陰謀論者は自分の知能を過大評価しているため、非主流の信念に固執してしまうのではないか」という仮説を立てました。ペニークック氏は、「少なくとも一部の陰謀論者を特徴付けるもののひとつは、彼らの信念が貧弱な証拠に基づいているだけでなく、彼らが自分の信念にとても自信を持っているように見えることです」と説明しています。
研究チームは、「自信過剰な人は陰謀論者になりやすいのかどうか」という点を調べるため、アメリカで募集した4181人の成人を対象に8つの実験を行いました。被験者には、数値的推論やリスクの理解、知覚の正確性といった認知能力を評価するためのテストに取り組んでもらい、テストの終了後に自分のパフォーマンスを評価してもらいました。
その後、被験者の実際のテストスコアと自己評価を比較することで、「自信過剰スコア」が作成されました。実際のスコアは低かったのに自分の成績を高く評価していた人ほど、自信過剰スコアが高いと見なされました。

そして研究チームは、被験者が「月面着陸は偽装されたものだった」「ワクチンは政府の陰謀である」といった、知名度は高いものの広く否定されている陰謀論を支持する傾向と、自信過剰スコアの関連性を調べました。
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