サイエンス

古代ローマの汚水溜から「当時の庶民が食べていたファストフード」の手がかりが見つかる

by James Stringer

地中海西部に浮かぶスペイン領のマヨルカ島はかつて古代ローマの植民地であり、ポレンティアという都市が築かれていました。そんなポレンティアで見つかった古代ローマ時代の汚水溜から、当時の庶民が食べていた「ファストフード」の手がかりとなる鳥の骨が大量に見つかったと報告されています。

International Journal of Osteoarchaeology | Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/oa.3416


Roman-era 'fast food' discovered in ancient trash heap on Mallorca | Live Science
https://www.livescience.com/archaeology/romans/roman-era-fast-food-discovered-in-ancient-trash-heap-on-mallorca

ポレンティアは古代ローマ人が紀元前123年にマヨルカ島を支配した後、紀元前1世紀頃に作られたとされる古代ローマの都市であり、やがてこの地域で最も活発な古代ローマの港のひとつとなりました。20世紀初頭に行われた発掘調査により、ポレンティアには公共の広場・神殿・寺院・記念碑・居住区・劇場・墓地といった都市を構成する建築物があったことがわかっています。


マヨルカ島にある地中海高等研究所のアレハンドロ・バレンズエラ氏は、ポレンティアで見つかった汚水溜から発掘された動物の骨を調査しました。この汚水溜は深さ約4mほどで、堆積物に含まれる陶器から紀元前10年~紀元30年に使われていたとみられています。

この汚水溜は地元の庶民階級が集まって軽食やワインを楽しんだ「ポッピナ」という飲食施設の近くにあり、ポッピナのカウンターには食料品を保存する陶器製のつぼであるアンフォラが埋め込まれていたとのこと。

バレンズエラ氏による調査の結果、ポレンティアの汚水溜からはヨーロッパからロシアにかけて分布しているウタツグミと思われる骨が他のどの鳥よりも多く発見されました。

by John Freshney Photography

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