コーヒーは薬の効き目に影響を及ぼす可能性がある、どんな薬に注意が必要なのか?

コーヒーは世界中の人々に愛されている飲み物であり、コーヒーを飲まないと1日が始まらないと感じている人もいるはず。ところが、コーヒーに含まれているカフェインはさまざまな薬の効き目に影響を及ぼす可能性があるとのことで、イギリスのキングストン大学で薬学実務の上級講師を務めるディパ・カムダール氏が、「コーヒーが効き目に影響を及ぼす可能性がある薬」について解説しました。
Coffee can interfere with your medication – here’s what you need to know
https://theconversation.com/coffee-can-interfere-with-your-medication-heres-what-you-need-to-know-256919

◆1:風邪薬やインフルエンザ治療薬
カフェインは精神刺激物質であり、中枢神経系の活動を活発化させる作用があります。鼻炎薬として風邪薬やインフルエンザ治療薬に含まれているプソイドエフェドリンも精神刺激物質であり、カフェインと併用すると効果が増強され、神経過敏や落ち着きのなさ、頭痛、心拍数の上昇、不眠症といった問題が引き起こされる可能性があるとのこと。
多くの風邪薬にはあらかじめカフェインが添加されているため、これらのリスクはさらに高まります。また、カフェインとプソイドエフェドリンを併用すると血糖値や体温が上昇する可能性も示されており、特に糖尿病患者にとって問題になります。
他にも、カフェインをADHD治療薬であるアンフェタミンや、カフェインと化学構造が類似するテオフィリンなどのぜん息治療薬と併用した場合も刺激作用が懸念されます。これらを併用した場合、心拍数の上昇や睡眠障害といった副作用のリスクが高まる可能性があると、カムダール氏は指摘しました。

◆2:甲状腺ホルモン剤
甲状腺機能低下症の治療薬であるレボチロキシンは、摂取タイミングに非常に敏感な薬です。レボチロキシンの服用後すぐにコーヒーを飲むと、レボチロキシンの吸収率が最大50%低下することが報告されています。
コーヒーに含まれるカフェインは腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進し、消化管にある食物や老廃物をより速く押し出すため、一緒に飲んだ薬剤の吸収時間が短くなってしまうとのこと。また、胃の中でカフェインと薬の化学物質が結合し、体内への吸収が阻害される可能性もあるそうです。これらの相互作用は錠剤タイプのレボチロキシンでより一般的であり、液体の薬では起こりにくいと考えられています。
カフェインによってレボチロキシンの吸収が阻害されると、たとえ正しく服用していても疲労感や体重増加、便秘といった甲状腺機能低下症の症状が再発する可能性があります。また、骨粗しょう症の治療薬であるビスホスホネートを含む薬も、レボチロキシンと同様にコーヒーとの併用には注意が必要です。

◆3:抗うつ薬と抗精神病薬
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