マイクロLEDでチップ間の高速通信を実現し省電力かつ大規模なAIデータセンターを構築するべくTSMCとAvicenaが提携

世界最大の半導体製造企業「TSMC」と、カリフォルニア州に拠点を置く光インターコネクト技術の開発企業「Avicena」が提携し、マイクロLEDを用いたチップ間通信システム「LightBundle」向けに最適化した光検出器を開発することが発表されました。LightBundleをシステムに組み込むと消費電力を抑えつつ大規模なAIサーバーを構築できるようになります。
Avicena Works with TSMC to Enable PD Arrays for LightBundle™ MicroLED-Based Interconnects – Avicena
https://avicena.tech/avicena-works-with-tsmc-to-enable-pd-arrays-for-lightbundle-microled-based-interconnects/

TSMC's Unorthodox Optical Leap - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/microled-optical-chiplet
AIのトレーニングや推論処理を担うAIデータセンターでは大量のGPUでデータを並列処理しており、AIデータセンターの処理能力は各GPUの性能だけでなくGPU間のデータ通信速度にも大きく左右されます。このため、GPU間のデータ通信速度を高速化する技術の開発が進んでいます。
AIデータセンターの要求にも耐えられる高速なデータ通信システムとして、銅線ではなく光ファイバーを用いた光インターコネクト技術が注目されています。

光インターコネクト技術の多くは光源としてレーザーを採用していますが、Avicenaが開発しているLightBundleは光源としてマイクロLEDを使うのが特徴です。これにより、1Tbps/mmという高速な通信を実現しつつ、通信可能距離を10m以上にまで延ばせるとのこと。

そして、LightBundleに最適化した光検出器を開発するべくTSMCとAvicenaが提携することが新たに発表されました。光検出器が実用化されれば、高速かつ長距離通信が可能なLightBundleをAIデータセンターに組み込むことが可能となり、データセンター全体の消費電力削減につながることが期待されています。
TSMCの北米業務管理担当ディレクターを務めるルーカス・ツァイ氏は「Avicenaと協力してAIインフラストラクチャーの強化に取り組み、効率的な接続性によってコンピューティングスケーラビリティに対する需要に対応できることをうれしく思います。TSMCはファウンドリ業界で最も包括的なCMOSイメージセンサー技術ポートフォリオを提供しており、TSMCの専門知識でAvicenaをサポートすることができます」とコメントしています。
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