AIチャットボットに「偽の記憶」を植え付けることで仮想通貨を盗む攻撃が報告される

大規模言語モデル(LLM)の技術の進歩と共に複雑なタスクをこなすAIエージェントが登場しており、金融の世界ではすでに「人間の代わりに投資の判断を高度なレベルで行うAIエージェント」も登場しています。しかし、こうしたAIエージェントに「偽の記憶」を注入することで仮想通貨を盗み取る新たな攻撃手法が明らかとなりました。
[2503.16248] Real AI Agents with Fake Memories: Fatal Context Manipulation Attacks on Web3 Agents
https://arxiv.org/abs/2503.16248

New attack can steal cryptocurrency by planting false memories in AI chatbots - Ars Technica
https://arstechnica.com/security/2025/05/ai-agents-that-autonomously-trade-cryptocurrency-arent-ready-for-prime-time/
プリンストン大学の研究チームが発表した論文によると、この攻撃は、ElizaOSというオープンソースフレームワーク上で実証されました。

ElizaOSは、ユーザーの指示や目的を元にブロックチェーンベースのさまざまな取引を実行できる自律型AIエージェントを開発できるフレームワークです。ElizaOSのAIエージェントはテキスト・音声・動画などのさまざまなメディアを処理できるマルチモーダルモデルで、仮想通貨の取引やデータ分析だけでなくソーシャルメディアでの交流も可能です。
研究チームが報告している新たな攻撃のポイントは、ElizaOSのAIエージェントがすべての会話履歴や操作履歴を「エージェントメモリ」として外部データベースに保存している点です。このエージェントメモリは、AIエージェントが判断する時のコンテキストとして使われます。
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in ソフトウェア, セキュリティ, 無料メンバー, Posted by log1i_yk
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