人間の傷の治癒はサルの3倍もかかることが判明、人間のケガの治りが遅いのは「毛が生えていないから」

人間のケガの治りは、ヒトに最も近い親戚であるチンパンジーを含む霊長類の動物に比べて大幅に遅いことが、新しい研究により確かめられました。これは、人類の祖先がある時点からケガの治りが遅くなるように進化したことを示唆していると、科学者は考えています。
Inter-species differences in wound-healing rate: a comparative study involving primates and rodents | Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2025.0233
Humans’ Wounds Heal Much More Slowly Than Other Mammals’ - The New York Times
https://www.nytimes.com/2025/04/29/science/wounds-healing-speed-humans.html
Humans may have evolved to heal 3 times slower than other mammals | Live Science
https://www.livescience.com/health/humans-heal-3-times-slower-than-our-closest-animal-relatives
人間が傷を負うと、まず出血を防ぐために血が凝固し、続いて好中球やマクロファージなどの免疫細胞が傷口に駆けつけて細菌を退治し、異物や死んだ組織などを片付けます。その後、線維芽細胞が皮膚の素材であるコラーゲンなどを生成したり、新しい血管の形成により栄養素が供給されたりして、損傷した体組織の修復が進んでいきます。
このメカニズムは「再上皮化」と呼ばれており、チンパンジーなども似たようなプロセスでケガを治しますが、非ヒト霊長類と比べると人間の治癒速度は圧倒的に遅いといわれています。

この特徴がヒトに特有なものなのかや、系統進化の過程でいつ出現したのかを知るため、琉球大学の霊長類学者である松本晶子氏らの研究チームはヒト、非ヒト霊長類、それ以外の哺乳類の傷がどのように治るのかを観察する研究を行いました。
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