大型類人猿も「飲み会」をする最初の証拠か、野生のチンパンジーが発酵した果物を仲間と分け合っていたことが判明

イギリスのエクセター大学やローハンプトン大学などの共同研究チームが、野生のチンパンジーが自然に発酵した果物を仲間内で共有し、摂食していたと報告しています。研究チームは、「非人間の大型類人猿がアルコールを含んだ発酵食品を共有する最初の証拠」と主張し、人間社会で行われる宴会は長い進化史の中で獲得された行動である可能性を示唆しました。
Wild chimpanzees share fermented fruits: Current Biology
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(25)00281-7

Are these chimps having a fruity booze-up in the wild? - Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2025/04/are-these-chimps-having-a-fruity-booze-up-in-the-wild/
研究チームは、ギニアビサウのカンタンヘス国立公園に生息する野生のチンパンジーが、自然に発酵したアフリカンブレッドフルーツ(Treculia africana)を繰り返し摂取し、グループ内で共有している瞬間を初めて記録したと報告しています。
研究チームは2022年4月から7月にかけて、アフリカンブレッドフルーツのエタノール含有量を測定しており、サンプリングした28個のフルーツのうち24個にエタノールが含まれていることを確認しています。熟成の進んだフルーツの場合、平均アルコール濃度は0.3%ほどだったそうです。

野生のチンパンジーが人間に慣れていないため、研究チームは3カ所にカメラを設置し、チンパンジーがアフリカンブレッドフルーツを摂食するところを記録しました。その結果、70件の摂食イベントのうち10件でフルーツの共有が行われており、共有されたフルーツの90%にエタノールが含まれていたことがわかりました。研究チームは、今回の観測記録が「大型類人猿がアルコールを含む発酵食品を共有する最初の科学的証拠である」と主張しています。
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