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Signal問題の政府高官が今度は「公務に個人のGmailを使用」していたことがメールのリークで判明


マイケル・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)が、イエメンのフーシ派爆撃に関する情報を、政府が管理していない民間アプリで共有し、これによって戦争計画が民間人に漏えいしていた問題で、新たにウォルツ氏がSignalより安全性が低いGmailで職務上の資料を扱っていたことが報じられました。

Waltz and staff used Gmail for government communications, officials say - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/national-security/2025/04/01/waltz-national-security-council-signal-gmail/

Report: Waltz used Gmail for official work
https://www.axios.com/2025/04/01/mike-waltz-signal-gmail-security

The Washington Postは2025年4月2日に、入手した資料とアメリカ政府関係者3人への取材から、ウォルツ氏を含むアメリカ国家安全保障会議(NSC)のメンバーが、私的なGmailアカウントを使って公務を行っていたことがわかったと報道しました。


伝えられるところによると、ウォルツ氏は進行中の紛争に関連する軍事上の機密事項や、重要な兵器に関する他の政府機関の同僚との「高度に技術的な通信」にGmailを使っていたとのこと。

また、The Washington Postが閲覧した電子メールのヘッダーには、NSC職員がGmailアカウントを使っていたのに対し、他の政府機関の同僚らは政府が交付したメールアカウントを使っていたことが示されていました。


ウォルツ氏は、アメリカ政府が管理する通信システムではなく、民間アプリのSignalで重要な軍事計画のやりとりをしていたとして責任を追及されており、一時は解任に関する議論も持ち上がっていました。Gmailは、エンドツーエンド暗号化が施されているSignalよりもさらに安全性が低い通信手段だと、The Washington Postは指摘しています。

匿名を条件に取材に応じた関係者の話によると、ウォルツ氏のGmailにはスケジュールやその他の仕事上の書類など、それほど機密性は高くないものの、悪用される危険性のあるデータが送信されていたとのこと。また、ウォルツ氏はミーティングや会合の調整のために、Gmailのスケジュール機能からSignalにデータをコピー&ペーストしていたそうです。

NSCの広報担当であるブライアン・ヒューズ氏は、The Washington Postに対し、「ウォルツ氏は公開アカウントで機密情報を送信していませんし、送信するつもりもありませんでした」と回答しました。


ヒューズ氏は、ウォルツ氏がそのような個人メールを使用したという証拠は見たことがなく、また仕事関連の資料を「過去の連絡先」、つまり2025年1月のトランプ政権発足前に使っていた旧連絡先である個人のメールで受け取った場合は、公務員に公文書の保管を義務付ける連邦記録法に基づいて、必ず政府のメールをCCに入れるようにしていると説明しています。

また、Gmailで軍事上の機密事項を話し合っていたことに関するThe Washington Postの質問に対して、ヒューズ氏はNSCの職員が機密情報を扱う際は安全なプラットフォームのみを使用するよう指示されていると述べました。

ヒューズ氏はさらに、政治系ニュースサイト・Axiosへの声明で、「これは、我が国を守るべくトランプ大統領が成功させた国家安全保障計画からアメリカ国民の注意をそらすために行われている新しい試みです」とコメントし、The Washington Postの報道を非難しました。

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in ネットサービス,   セキュリティ, Posted by log1l_ks

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