NVIDIA製チップの密輸容疑者がシンガポールで逮捕される

アメリカの輸出規制を回避するため、NVIDIA製チップを密輸したという人物をシンガポール警察が逮捕したと、多国籍ニュースチャンネルのCNAが報じています。
3 men charged with fraud, cases linked to alleged movement of Nvidia chips - CNA
https://www.channelnewsasia.com/singapore/3-men-charged-fraud-nvidia-chips-singapore-china-deepseek-4964721

Singapore arrests alleged Nvidia chip smugglers | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/03/03/singapore-arrests-alleged-nvidia-chip-smugglers/
CNAの報道によると、シンガポール警察は2025年2月27日(木)にNVIDIAのチップを密輸した疑いで3人の男性を逮捕しました。逮捕された3人のうち2人はシンガポール人で、アーロン・ウー・グオ・ジエ容疑者(41歳)とアラン・ウェイ・ジャオルン容疑者(49歳)。2人はサーバー供給業者に対する詐欺共謀罪で起訴されました。起訴状によると、2人は「2024年に品物が『最終使用者の正式な受取人』以外の人物には譲渡されない」という虚偽の説明をした疑いをかけられています。もうひとりの逮捕された人物は、中国国籍のリー・ミン容疑者(51歳)で、同氏は虚偽表記による詐欺罪で起訴されました。
3人はアメリカの輸出規制を回避して中国にNVIDIA製チップを持ち込むために密輸を行ったと報じられています。
報道によると、アメリカ商務省は中国のAIスタートアップであるDeepSeekが中国への出荷が許可されていないアメリカ製チップを用いてAIをトレーニングしているかどうかを調査していたそうです。
2025年2月1日、シンガポールの貿易産業省はシンガポールに進出しているアメリカ企業に対して、アメリカとシンガポールの両国の法律を順守することを期待していると語りました。シンガポールのタン・シー・レン第二貿易産業大臣は、企業がシンガポールとのつながりを故意に利用して他国の輸出規制を回避したり違反したりすることを「容認しない」と言及しています。
シンガポールには他国の一方的な輸出規制を施行する法的義務はありませんが、シンガポールで事業を展開するすべての企業が該当する場合には、そのような規制を考慮することを「期待している」とレン第二貿易産業大臣は語りました。なお、虚偽表記による詐欺罪には最大20年の懲役または罰金、あるいはその両方が科せられます。

Bloombergの報道によると、シンガポールはDellとSuperMicro製のサーバーに搭載されていた「輸出規制の対象となるNVIDIA製チップ」が、正式な配送地以外に輸送されていないかを調査しているそうです。DellはTechCrunchに対して、厳格な貿易コンプライアンスプログラムを実施しており、従わない顧客を調査するとコメントしました。
NVIDIAの年次報告書によると、同社の売上のうちシンガポールが占める割合は2%未満だそうですが、2025年度にはこの比率が18%に上昇していると報告されています。
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in ハードウェア, Posted by logu_ii
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