初期の超新星爆発で「水」が大量にあふれ出しビッグバン直後には生命が誕生していた可能性があるとの研究結果

今でこそ宇宙には水が豊富に存在していますが、ビッグバンで誕生した直後の宇宙にある物質のほとんどは水素とヘリウムでした。そのため、生命が誕生するのに十分な水が存在するようになるには、星の内部で起きる元素合成というプロセスで徐々に酸素が作られていくまで待たなければならなかったと考えられています。しかし、新しいシミュレーション研究により、最初期の超新星爆発によって大量の水が生成された可能性があることが報告されました。
[2501.02051] Abundant Water from Early Supernovae at Cosmic Dawn
https://arxiv.org/abs/2501.02051
The First Supernovae Flooded the Early Universe With Water - Universe Today
https://www.universetoday.com/170448/the-first-supernovae-flooded-the-early-universe-with-water/
1st supernovas may have flooded the early universe with water — making life possible just 100 million years after the Big Bang | Live Science
https://www.livescience.com/space/cosmology/1st-supernovas-may-have-flooded-the-early-universe-with-water-making-life-possible-just-100-million-years-after-the-big-bang
天文学では、水素とヘリウム以外の元素はひとまとめに金属と呼ばれ、星は金属量と年代によって太陽のように金属が多く若い星である「種族I」、金属が少なく比較的古い星の「種族II」、金属がほぼ含まれない宇宙で最初の世代の星である「種族III」に分類されています。
2025年1月9日にプレプリントサーバーのarXivに掲載した研究で、イギリス・ポーツマス大学のダニエル・ワーレン氏らの研究チームは、太陽の13~200倍の質量を持つ種族IIIの星が超新星爆発を起こした際の数値シミュレーションを行いました。
13太陽質量ほどの比較的小さな星が寿命を迎えると、重力崩壊型超新星と呼ばれる典型的な最後を遂げますが、200太陽質量の巨大な星が死ぬと非常に多くのエネルギーを発する対不安定型超新星を起こします。

重要なのは、これらの初代星が爆発するとその残骸の中に水素や酸素などの元素でできた濃密な雲が形成されたというシミュレーション結果です。この高密度分子雲には大量の水が含まれており、いくつかのケースでは現在の天の川銀河内に浮遊している水の最大30倍の密度に達したと、研究チームは報告しています。
このことから、研究チームは論文に「私たちのシミュレーションで、ビッグバンから1億~2億年後の宇宙には生命の主要成分がすでに存在していたことが明らかになるとともに、水が最初の銀河の主要な構成要素であった可能性が高いことが示されています」と記しました。
以前発表された別の論文では、ビッグバンから3億5000万年後には炭素が存在していた可能性が示されており、これらの研究結果は従来の想定より早い時期の宇宙に、生命にとって重要な構成要素がそろっていた可能性を示唆しています。
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今回のシミュレーション研究の最大の課題として、種族IIIの星はまだ観測されたことがないという点が指摘されています。ビッグバンのすぐ後に生まれた初代星は寿命が短く、また非常に古い星を見つけるには遠方の宇宙を観測しなければならないので、現在の宇宙を形作る物質を作り出した原始の星々がどのような姿をしていたのかは謎に包まれています。
また、もし初期の超新星爆発でこれほど大量の水が生成されたという研究結果が事実であれば、現在の宇宙はもっと多くの水であふれているはずです。そのため、宇宙の歴史にはイオン化などの天体物理学プロセスで水が分解される「乾燥期」があったのではないかと考えられていますが、ビッグバン直後に生成された水や、その中に生まれたかもしれない生命がどのような運命をたどったのかは不明です。
研究チームは、未査読の論文の末尾に、「最初の銀河の過酷な放射線環境からどれだけの水が生き残ったかは、まだ解明されてません」と記しました。
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