大麻とはまったく違う植物から大麻化合物のCBDが発見され関連製品の生産拡大への期待が高まる

近年では、大麻草に含まれる「カンナビジオール(CBD)」という化学物質を使った健康食品や化粧品などが人気を集めています。そんなCBDが、ブラジルで一般的に自生する大麻草とは別の植物から発見され、さらなる生産拡大への期待が高まっています。
Trema micranthum (L.) Blume as a new source of cannabinoids | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-024-80857-6

Cannabis Compound Discovered Inside Totally Different Plant : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/cannabis-compound-discovered-inside-totally-different-plant
Cannabis compound found inside completely different plant: ‘A legal alternative’ - pennlive.com
https://www.pennlive.com/life/2025/01/cannabis-compound-inside-completely-different-plant-a-legal-alternative.html
これまでの研究でCBDには、てんかんや精神病、社交不安障害、皮膚の炎症などを治療する効果が報告されています。また、乱用や依存、向精神作用が見られないことから、日本ではテトラヒドロカンナビノール(THC)の含有量が規定値を超えない限り、CBD関連製品の使用は合法とされています。
そのためCBDは嗜好(しこう)品や医療目的として人気が高まっており、市場分析会社Vantage Market Researchの調査によると、2023年時点でのCBDの世界市場は約50億ドル(約7700億円)と推定され、2028年までに470億ドル(約7兆2900億円)以上の規模に成長すると予測されています。
リオデジャネイロ連邦大学の分子生物学者、ロドリゴ・ネト氏らの研究チームはそんなCBDが南米の国の多くで自生する植物「トレマ・ミクランサム」から発見されたことを報告しています。科学系メディアのScienceAlertによると、トレマ・ミクランサムは基本的に雑草と見なされているとのこと。

by João Medeiros
さらに研究チームはトレマ・ミクランサムに含まれるCBDの化学分析を行い、THCが含まれていないことを明らかにしました。そのため、各国における大麻の法的・規制上のハードルには直面しないそうです。ネト氏は「トレマ・ミクランサムはブラジル全土に生えている植物です。そのため、トレマ・ミクランサムはよりシンプルで安価なCBDの供給源となるでしょう」と述べています。
研究チームは今後、トレマ・ミクランサムからCBDを抽出するための最良の方法を特定する予定です。さらに、医療用大麻を用いて治療を受けている患者を対象にトレマ・ミクランサムから抽出したCBDの有効性を確認する研究を行います。ネト氏は「近年、レノックス・ガストー症候群やドラベ症候群、結節性硬化症に関連する発作の治療に使用されるエピディオレックスなど、CBDを含む製剤がアメリカ食品医薬品局(FDA)に承認されつつあります。そのため、このテーマに関する研究に新たな推進力が生まれました」「CBDは大麻を使用する合法的な代替手段です」と語りました。

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in サイエンス, Posted by log1r_ut
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