サイエンス

「怒り」がクリエイティブなパフォーマンスを向上させる可能性があることが判明


「怒り」は脅威やフラストレーションに反応して引き起こされる激しい感情であり、心拍数の増加や緊張といった生理的な覚醒を伴います。制御できない怒りは対人関係の悪化やストレスにつながるため、怒りは良くないものと考える人も多いかもしれませんが、新たな研究では「怒りがクリエイティブなパフォーマンスの向上と関連している」ことが判明しました。

The relationship between anger and creative performance: a three-level meta-analysis: Cognition and Emotion: Vol 0, No 0 - Get Access
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/02699931.2024.2392614


Anger might enhance creative performance
https://www.psypost.org/anger-might-enhance-creative-performance/

怒りとクリエイティビティについての研究はいくつかありますが、その結果はまちまちだとのこと。そこで中国の研究チームは、怒りとクリエイティブなパフォーマンスの関係をより詳細に知るため、複数の研究結果を統合して分析するメタアナリシスを実施しました。

まず、研究チームは英語と中国語の両方で「anger(怒り)」や「creativity(クリエイティビティ)」などの用語に引っかかる論文を検索し、その中から「少なくとも1つのクリエイティビティに関するタスクのパフォーマンス測定を行っている」「研究者によって明示的に引き起こされた怒り、あるいは自然に発生した怒りを測定している」という条件に合致するものを探しました。


トピックに無関係な記事を除外したところ、23件の論文が残りました。このうち、18件は研究者が被験者の気分を操作してわざと怒らせた実験的研究であり、残り5件は被験者が自然に抱いた怒りを対象とした非実験的研究だったとのこと。これらの研究は2008年~2024年に発表され、合計2413人の被験者が含まれていました。

メタアナリシスの結果、全体として怒りの感情とクリエイティブなパフォーマンスの間には、「弱い正の相関」があることがわかりました。言い換えれば、「怒っている被験者はクリエイティブなタスクにおいて、わずかに優れたパフォーマンスを発揮した」というわけです。研究チームはさらなる分析を行い、怒りとクリエイティビティの関連性に影響するさまざまな要因についても特定しています。


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in サイエンス,   無料メンバー, Posted by log1h_ik

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