中世の建築方法を使ってゼロから建築中の城「ゲドゥルン城」

フランス・ブルゴーニュで、40人の建築家らが中心となって、中世の技術と材料を使用して「ゲドゥロン城」と呼ばれる城を建てるプロジェクトに取り組んでいます。
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フランス・ブルゴーニュ北部のゲドゥルン城は、「ジャン・ド・トゥシーが支配するプイサイで、ギルベールという架空の下級領主が1228年から建築を開始したもの」という設定で建築が進められています。
建築家のジャック・ムーラン氏は1997年春に地元のトレイニー市役所に対してゲドゥルン城の建築許可を申請。その後1997年7月25日に建築許可が付与され、実際にゲドゥルン城の建築が始まりました。建築家のフロリアン・レヌッチ氏による建築計画書では、ラティリー城をモデルとして、6つの大塔を持つゲドゥルン城の設計図が描かれています。

ゲドゥルン城の建築プロジェクトは、解釈が難しい中世の建築ツールや作業方法をテストするとともに、石灰モルタルの化学組成など、さまざまなオプションを利用して建築し、中世ヨーロッパでの建築スタイルについて、広範で最新のデータベースをまとめることが目的です。そのため、建築資材にアクセスしやすいプイサイが選ばれたというわけです。建築にあたって、プロジェクトチームは現代に残った中世の建物やステンドグラス、写本のほか、シンポジウムでのレポートや論文、発掘記録などを研究しました。また、中世ヨーロッパの城「Druyes-les-Belles-Fontaines」「Ratilly」「Yévre-le-Chatel」「Dourdan」での現地調査も行われています。

ゲドゥルン城の建築には採石業者や石工職人、大工、鍛冶屋、タイル職人などが協力して、中世の建築方法を用いて建築が進められています。記事作成時点でゲドゥルン城では100人のスタッフが働いており、そのうち40人が建築に直接関わっています。

1997年から建築が進められているゲドゥルン城は徐々に完成に向けて前進しており、2002年にはゲドゥルン城にある6つの塔のうち最大のチャペルタワーに着工。2010年には「ノースレンジ」と呼ばれる建物が完成。2014年には礼拝堂の建築作業が開始しました。

2019年にはチャペルタワーに屋根が取り付けられました。

プロジェクトチームは「私たちにとっての落とし穴の1つは、ゲドゥルン城が単なる建築的偉業として捉えられてしまうことです。様式的、建築的、年代的な一貫性を損なう形で洗練されたゲドゥルン城を建築して、一部の人々の好みを満足させるだけの手段になってはいけません。私たちの主目的は、この時代の城で最も一般的な特徴を再現することです。そのために、私たちはさまざまな中世の城を訪れ、写真撮影やスケッチなどを行いました」と述べています。
なお、建築中のゲドゥルン城は特定の期間に限って一般公開されており、来場者はパン焼き体験などを楽しむことができるそうです。

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in メモ, Posted by log1r_ut
You can read the machine translated English article Gedrun Castle is being built from scratc….