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作家は「自分の本について語る力」が重要


作品を発表したら、インタビューや講演会、SNSなどの場で、自分の作品について簡潔に魅力を伝えたり執筆の経緯を振り返ったりする機会があります。作家で批評家のマリス・クライツマン氏が、現代の書籍市場においてより重要になった「自分の本について語る力」について解説しています。

How to Talk About Your Own Book ‹ Literary Hub
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クライツマン氏は書籍ジャーナリストとして長年活動しており、何百人もの作家にインタビューをしたり、文学ポッドキャストの司会を4年間務めたりした経験があるとのこと。そのため、自身が本を出版する際には、自分の本について伝える良い講演とはどのようなものか、効果的な伝え方は何かについて、経験から学ぶことが多かったと話しています。

作家にとって、優れた物語を書くことは本を書く上で最も重要な部分ですが、読者に本を買いたいと思わせる上で最も重要なことは、物語のストーリーを正しく伝える能力です。クライツマン氏によると、優れたプロの作家は自分の本について話すときにいつでも使えるストーリーを4、5個持っていたとのこと。特に、聴衆に話しかけて最後まで聴衆の注意を引き続けることに慣れているような人は、自分の作品を売るためのストーリーテリングもよく理解していたそうです。


過去には、作家の仕事は執筆をすることのみで、ただ本を書いて出版者に任せてしまえばよかったケースも数多くありました。しかし、現代では書籍を紹介するメディアは多くないほか、ソーシャルメディア全体の信頼性がますます低下している状況のため、著者が自分の書籍について積極的に語ることがこれまで以上に重要になっているとクライツマン氏は指摘。そのため、SNSで読者とつながったり、インタビューやサイン会など直接言葉を伝えられるケースでは、自分が書いた作品がどのような本なのか、ストーリー、魅力、作品にまつわるエピソードなどをしっかり届けて、読みたいと思わせる能力が重要になります。

作品のよりよい伝え方として、クライツマン氏はいくつかのポイントを挙げています。まず、本について正しく理解していることが重要です。全編自分で書いた本であっても、編集者とともに何度も改訂を重ねる中で、他人の意見を採用した箇所や、当初のプロットから変わった表現などもあるはず。本について語る時は、最新の形を把握した上で、簡潔かつ正確なマーケティングコピーを作る必要があります。

また、あらかじめ用意した台本をそのまま届けるだけではなく、その場にいる人やSNS上の読者の声にも耳を傾け、会話をすることも重要です。過去に作家からインタビューで聞いた内容などをふまえた自身への教訓として、クライツマン氏は「著者であると同時に自分の書籍の最高販売責任者でなければならないのは大変かもしれませんが、その書籍が読者に届くようにすることに、自分ほど強い関心を持っている人はいないはずです。本を読んだ人からの解釈や意見を歓迎しつつも、自分自身の繊細な感情を守るために、自分より作品から遠い位置にいる人の意見は適度に考慮し、自分が作品の一番の理解者であり続けるべきだと思います」と語りました。

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in メモ, Posted by log1e_dh

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