女人禁制・世界遺産・日本百名山など属性モリモリな大峰山は登山の魅力がギュッと詰まった魅力的な山でした【山上ヶ岳・大日山】

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部を構成する大峰山は山域の一部が女人禁制区域に制定されていたり、日本百名山の1座に数えられていたりと特殊な要素を数多く持っています。そんな大峰山に行って女人禁制区域内の「山上ヶ岳」と女性でも入山可能な「大日山」に登ってきたので、1日の行程や周辺情報をまとめてみました。
山上ヶ岳 | 天川村公式サイト(奈良県) 観光ページ
https://www.vill.tenkawa.nara.jp/tourism/spot/5187/
大峰山は複数の山が連なる山域です。今回は大峰山の中でも女人禁制区域の中にある山上ヶ岳と女性でも入山できる大日山に登りました。
登山口のすぐ近くにある大橋茶屋駐車場まで自動車で移動しました。
普通車の駐車料金は1日1000円です。

駐車場の奥に進むと、すぐに登山口が現れます。

◆山上ヶ岳の頂上へ
登山口は女人禁制の山上ヶ岳方面と女性が入ってもOKなレンゲ辻方面に分かれています。今回は山上ヶ岳方面を目指します。

少し進むと「女人禁制」と記された看板が設置されていました。山上ヶ岳は古くから信仰の対象となっており、宗教的な理由から現代でも女性の入山が禁止されています。

「女人結界門」と記された門をくぐります。山上ヶ岳には同様の門が複数設置されています。

山上ヶ岳は修験道の修行の場として有名なので険しい道が続くと予想していたのですが、道はキレイに整備されており、かなり歩きやすかったです。

危険な場所には木製の道が整備されていました。

金属製の橋もあります。

登山口から約30分歩くと、登山道の先に小屋が見えてきました。

この小屋は「一本松茶屋」という名前のようです。

中は無人で、机が複数並んでいました。

山上ヶ岳の登山道には一本松茶屋のような茶屋が複数あり、茶屋同士の距離を記した看板が多く設置されていました。この看板をペース配分の目安にすると良さげです。

歩き続けていると、水が流れるサーッという音が聞こえてきました。

水の音はここから聞こえるようです。

ヒンヤリ冷たい水が流れていました。

周辺にはベンチが設置されており、登山者が休憩していました。なお、通常の登山道では登山者同士で「こんにちは」とあいさつを交わすのが通例ですが、山上ヶ岳では「こんにちは」ではなく「ようおまいり」というあいさつを交わします。

どんどん進むとまた茶屋が見えてきました。この茶屋は「洞辻茶屋」という名前です。

洞辻茶屋に入る前に振り返ると、少し先に像が見えました。

不動明王像。

像の背後に回り込むと、転倒防止と思われる支柱が背中から伸びていました。

洞辻茶屋の中に入ります。

スナック菓子やカップめんなどの食べ物の他、シャツやはちまきなども売られていました。

反対側の入口にも像が立っています。

洞辻茶屋を出て少し進むと、別の小屋が現れました。

この小屋の中では複数の店が営業しているようですが、今回はすべてシャッターが降りていました。

分岐点に到達。ランドマークの多そうな左のルートに進みます。

ここまでは登りやすい道が続いていたのですが、標高1500mぐらいから鎖のある岩場が現れ始めました。

高い岩を登ることになる「鐘掛岩」に到着。

鐘掛岩の全体像はこんな感じ。垂直に近い角度の岩がそびえ立っています。

安定するポイントを探しつつ、慎重に登ります。

鎖をつかんで登る場面もあります。

鐘掛岩の頂上に登りきると、周囲の山を一望できました。

鐘掛岩を降りて山上ヶ岳の登山道を進むと、奥に複数の建物が見えてきました。

建物を目指してグングン進むと、何やら青い文字の記された石が見えてきました。

「西の覗」に到着。

西の覗からの景色はこんな感じ。

西の覗はただ景色が良い場所ではありません。ここでは「縄で体を固定し、断崖絶壁に身を乗り出す」という修行を体験できます。Google画像検索で検索した参考画像が以下。

行者たちはここから身を乗り出すというわけです。恐ろしい。

西の覗から先に進むと、下の方から見えていた建物の密集エリアにたどり着きました。

建物は行者が宿泊する宿坊です。

宿坊「喜蔵院」の受付でトイレを借りられるか尋ねたところ、快く貸してくれました。

喜蔵院を出て少し進むと、山上ヶ岳の山頂付近に位置する「大峯山寺」の山門にたどり着きました。

大峯山寺の見た目はこんな感じ。お堂の中からは念仏が聞こえてきました。

大峯山寺の横には世界遺産登録記念の石碑がありました。大峰山は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部なのですが、世界遺産をアピールする看板などは非常に少なく、山の中で「世界遺産」であることを示していたのはこの石碑だけです。

大峯山寺から少し歩くと山上ヶ岳の頂上に到着しました。標高は1719.2mです。登山道から頂上までの所要時間は3時間55分でした。

石碑には「お花畑」と記されていますが、ササが広がるばかりで目立った花はなさげ。

反対側にもササが広がっています。

頂上付近からの眺めはこんな感じ。まだ下山せず、奥に見えるこんもり飛び出た「大日山」に向かいます。

◆大日山の山頂へ
山上ヶ岳から大日山に向かって下ると、女人結界門が設置されたレンゲ辻が見えてきました。ここから先は女性も入れるエリアというわけです。

山上ヶ岳の頂上から大日山への稜線(りょうせん)を見ると結構な起伏がありますが、斜面に刻まれたなだらかな道を進むため、実際の登り下りは少なめです。

ひたすら歩いて「稲村ヶ岳山荘」に到達。稲村ヶ岳山荘には有料トイレなどが設置されています。

ここから先では食事禁止という看板を発見。

ここでエネルギーを補給しておきます。また、大日山まで到達したら稲村ヶ岳山荘まで同じ道を帰ってくるので、稲村ヶ岳山荘付近に重たいザックを置いておき、貴重品だけ持って大日山へ向かうことにしました。

山上ヶ岳の頂上から見えていたこんもり飛び出た部分が近づいてきました。

こんもり飛び出た部分は急斜面で、鎖やハシゴを使わないと登れないようになっています。

鎖をつかみつつよじ登ります。

この木製の道路が朽ちかけており、グラグラ揺れてスリル満点でした。

大日山の頂上に到達。木が茂っており、眺めは良くありません。

稲村ヶ岳山荘で荷物を回収し、山上ヶ岳と大日山の中間に位置するレンゲ辻まで戻ってきました。

レンゲ辻から大橋茶屋駐車場を目指して下山します。

少し雨が降ったため、小さな沢が増水して川のようになっていました。

ひたすら下り続けてアスファルトの道路に到達。レンゲ辻と大橋茶屋駐車場を結ぶ道には茶屋などの休憩スポットが設けられていないので、初心者向けではありません。

アスファルトを約10分歩くと大橋茶屋駐車場が見えてきました。

ゴール。

全体のコースタイムは8時間30分で、移動距離は14.7km。累積標高は1247mでした。

◆下山後は洞川温泉へ
大橋茶屋駐車場から自動車で数分の位置に洞川温泉があるので、ここで疲れを癒やすのがオススメです。

洞川温泉の入浴料は700円で、温泉利用者は駐車場料金が90分間無料になる仕組みでした。

・つづき
DJI製ドローン「DJI Air 3」を使って空撮した大峰山の映像まとめ記事を以下のリンク先で公開しています。
カメラを2台搭載したドローン「DJI Air 3」の性能を確かめるべく日本百名山「大峰山」で空撮ムービーを撮影しまくってみた - GIGAZINE

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