映画好きとしても知られる「デス・ストランディング」の小島秀夫監督が2019年に見た映画ベスト10を発表

メタルギアシリーズの生みの親であり、2019年には「Death Stranding(デス・ストランディング)」を通してまるで映画のような全く新しいゲーム体験を生み出した小島秀夫監督が、2019年に観た個人的にオススメな映画ベスト10を発表しました。小島監督と言えば無類の映画好きとしても知られている人物で、ゲーム業界だけでなく映画業界の著名人とも親交の深い人物であり、デス・ストランディングではハリウッド俳優をモデルとしたキャラクターだけでなく、映画監督のギレルモ・デル・トロをモデルとするキャラクターも登場します。
My top 5 films in 2019:
— HIDEO_KOJIMA (@HIDEO_KOJIMA_EN) 2019年12月22日
1. Parasite
2. Border
3. The Irishman
4. A Elephant Sitting Still
5. Cold War
The rest on random order:
The House That Jack Built
Capharnaum
Spider- Man: Into the Spider-Verse
Joker
Marriage Story pic.twitter.com/FqNmEqlRhQ
◆1位:パラサイト 半地下の家族
1位に輝いたのは、第72回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した、韓国映画の「パラサイト 半地下の家族」。韓国内外で数々の映画賞を受賞してきたポン・ジュノ監督の最新作で、日本では2020年1月10日(金)から全国で公開予定となっています。
あらすじは以下の通り。
過去に度々事業に失敗、計画性も仕事もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。大学受験に落ち続け、若さも能力も持て余している息子ギウ。美大を目指すが上手くいかず、予備校に通うお金もない娘ギジョン…しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“半地下住宅”で暮らす貧しい4人家族だ。
“半地下”の家は、暮らしにくい。窓を開ければ、路上で散布される消毒剤が入ってくる。電波が悪い。Wi-Fiも弱い。水圧が低いからトイレが家の一番高い位置に鎮座している。家族全員、ただただ“普通の暮らし”がしたい。
「僕の代わりに家庭教師をしないか?」受験経験は豊富だが学歴のないギウは、ある時、エリート大学生の友人から留学中の代打を頼まれる。“受験のプロ”のギウが向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった——。
パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていき…“半地下住宅”で暮らすキム一家と、“ 高台の豪邸”で暮らすパク一家。この相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく——。
予告編は以下から見ることができます。
『パラサイト 半地下の家族』90秒予告 - YouTube

◆2位:ボーダー 二つの世界
2位となったのは、日本では2019年10月に公開されたスウェーデン映画の「ボーダー 二つの世界」。善悪・美醜・性別・貧富・国籍・宗教といったこの世に多数存在する境界線(ボーダー)に焦点を当てた作品で、世界中で数々の映画賞を受賞した作品です。
あらすじは以下の通り。
スウェーデンの税関に勤めるティーナは、違法な物を持ち込む人間を嗅ぎ分ける能力を持っていたが、生まれつきの醜い容姿に悩まされ、孤独な人生を送っていた。
ある日、彼女は勤務中に怪しい旅行者ヴォーレと出会うが、特に証拠が出ず入国審査をパスする。ヴォーレを見て本能的に何かを感じたティーナは、後日、彼を自宅に招き、離れを宿泊先として提供する。次第にヴォーレに惹かれていくティーナ。しかし、彼にはティーナの出生にも関わる大きな秘密があった――。
予告編は以下から視聴できます。
映画『ボーダー 二つの世界』予告編|10/11(金)公開 - YouTube

◆3位:アイリッシュマン
3位にランクインしたのは、Netflixオリジナル作品の映画「アイリッシュマン」。監督は「ウルフ・オブ・ウォールストリート」や「ギャング・オブ・ニューヨーク」のマーティン・スコセッシ、主演はロバート・デ・ニーロ&アル・パチーノ。マーティン・スコセッシ監督が贈る新たなギャング映画で、裏社会のボスに長年仕えてきた殺し屋が、秘密と暴力にまみれた自らの半生を振り返るというストーリーです。
マーティン・スコセッシ監督悲願のマフィア映画「アイリッシュマン」予告編公開、主演はロバート・デ・ニーロ&アル・パチーノ - GIGAZINE

予告編は以下からチェックできます。
『アイリッシュマン』最終予告編 - YouTube

◆4位:象は静かに座ってる
29歳で命を絶ったフー・ボー監督のデビュー作にして遺作となってしまった映画「象は静かに座っている」が、4位にランクイン。小島監督は同作について「キャラクター達の運命に近づき、徹底して寄り添う、長回しのカメラ。『サウルの息子』とも異なる、その精緻に制御されたフレームとカメラワークによる情報の欠落が、見事な臨場感と緊張感を生み出す。さらにフレーム外を観客の脳と感情が補完する事で、まるで彼らの孤独とともに漂流しているような痛みと喪失感を感じさせる。若き唯一無二の天才が、現代映画の絶望を覆した奇跡の234分。ボー監督の才能が惜しまれる。出来る事ならば、本作の評価を受け、“静かに立ち上がって”欲しかった」とコメントしています。
あらすじは以下の通り。
時代の流れとともに炭鉱業が廃れた中国の小さな田舎町。少年ブーは友達をかばい、不良の同級生をあやまって階段から突き落としてしまう。不良の兄は町で幅を利かせているチェンだった。チェン達に追われ町を出ようとするブーは、友達のリン、近所の老人ジンをも巻き込んでいく。親友を自殺に追い込んでしまい自責の念のかられているチェン、家に居場所がなく教師と関係を持つことで拠り所をみつけるリン、娘夫婦に邪険にされながらも老人ホーム行きを拒むジン。それぞれに事情を抱えながらも、遠く2300km先の果て満州里にいる、一日中ただ座り続けているという奇妙な象の存在にわずかな希望を抱き4人は歩き出す――。
変わらない日常に疲れた年齢のバラバラな男女。それぞれが突然の悲しみに直面することで、傷つきながらも暗い日々に終わりを求めて動きはじめる。人はどこへでも行けるはずだ――。利己主義に満ちた現代社会にもまれる、世界の片隅に生きる人々の渇望を描く人間ドラマが誕生した。
予告編は以下から。
『象は静かに座っている』予告編 - YouTube

◆5位:COLD WAR あの歌、2つの心
第91回アカデミー賞の監督賞・撮影賞・外国語映画賞の3部門にノミネートされた、映画「COLD WAR あの歌、2つの心」が5位に。ポーランド生まれのパヴェウ・パヴリコフスキが監督・脚本を、同じくポーランド出身のウカシュ・ジャルが撮影を担当した作品。2人は2013年に公開された映画「イーダ」でもタッグを組んでいます。
あらすじは以下の通り。
冷戦に揺れるポーランドで、歌手を夢見るズーラとピアニストのヴィクトルは音楽舞踊団の養成所で出会い、恋におちる。だが、ヴィクトルは政府に監視されるようになり、パリに亡命する。ズーラは公演で訪れた先でヴィクトルと再会、幾度かのすれ違いを経て共に暮らし始める。しかし、ある日突然ズーラはポーランドへ帰ってしまう。あとを追うヴィクトルに、思いもかけぬ運命が待ち受けていた。
予告編は以下からチェックできます。
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』本予告 6月28日(金)公開 - YouTube

6位以降は順位付けが難しかったのか、順不同で紹介されています。
◆ハウス・ジャック・ビルト
カンヌ国際映画祭での公式上映時には途中退出者が続出したという賛否両論の問題作「ハウス・ジャック・ビルト」もランクイン。
あらすじは以下の通り。
1970年代の米ワシントン州。建築家になる夢を持つハンサムな独身の技師ジャックはあるきっかけからアートを創作するかのように殺人に没頭する・・・。彼の5つのエピソードを通じて明かされる、“ジャックの家”を建てるまでのシリアルキラー12年間の軌跡。
予告編は以下から見られます。
『ハウス・ジャック・ビルト』予告編 6/14(金)公開 - YouTube

◆存在のない子供たち
日本では2019年7月20日に公開された映画「存在のない子供たち」は、誕生日も戸籍もない少年ゼインが両親を告訴するまでの物語を描いた作品。
あらすじは以下の通り。
わずか12歳で、裁判を起こしたゼイン。訴えた相手は、自分の両親だ。裁判長から、「何の罪で?」と聞かれたゼインは、まっすぐ前を見つめて「僕を産んだ罪」と答えた。中東の貧民窟に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったために、自分の誕生日も知らないし、法的には社会に存在すらしていない。学校へ通うこともなく、兄妹たちと路上で物を売るなど、朝から晩まで両親に劣悪な労働を強いられていた。唯一の支えだった大切な妹が11歳で強制結婚させられ、怒りと悲しみから家を飛び出したゼインを待っていたのは、さらに過酷な“現実”だった。果たしてゼインの未来は―。
予告編は以下から。
7/20(土)公開『存在のない子供たち』予告 - YouTube

◆スパイダーマン:スパイダーバース
スパイダーマン映画としては初となるアニメ作品であり、第91回アカデミー賞では長編アニメ映画賞を受賞したのが映画「スパイダーマン:スパイダーバース」です。複数の世界線に存在するスパイダーマンたちが一堂に会する作品で、続編制作も決定しています。
パラレルワールドに存在する複数のスパイダーマンが集結するアニメ映画「スパイダーマン:スパイダーバース」最新予告編公開 - GIGAZINE

予告編は以下から。
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』予告3(3/8全国公開) - YouTube

◆ジョーカー
DCコミックスのヒーローであるバットマンに登場する悪役・ジョーカー、その誕生を描いたスリラー映画が「ジョーカー」です。小島監督は同作品について「映画史を塗り替える作品になる筈だ!『エクソシスト』がそれまでのホラー映画を一喝した様に、本作もアメコミ映画界を一掃する!これは、もはやDC映画ではない。21世紀の『タクシードライバー』が生まれたのだ。暴力に憑かれたアーサーは、トラビスが最後に向かった“善行”とは違う悪へと墜ちて行く。現代の格差社会に潜む“闇”を高らかに嘲笑う、オトナのヴィラン映画だ」とコメントしています。
大道芸人が悪の権化・ジョーカーへ変貌していく映画「ジョーカー」最終予告編 - GIGAZINE

予告編は以下から。
映画『ジョーカー』本予告【HD】2019年10月4日(金)公開 - YouTube

◆マリッジ・ストーリー
「マリッジ・ストーリー」はNetflixで配信されている、離婚までのプロセスをリアルに描いた作品。主演はスカーレット・ヨハンソン&アダム・ドライバー、監督はノア・バームバック。
予告編は以下から。
『マリッジ・ストーリー』予告編 - Netflix - YouTube

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in 動画, 映画, ゲーム, Posted by logu_ii
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