ロケットのパワーでゴルフクラブをフルスイングしたらどうなるのかを元NASAエンジニアが実験

シューティングゲーム「Splatoon(スプラトゥーン)」の巨大インクガンや、超巨大水鉄砲など、はっちゃけた発明を本気で作って遊んでしまうことで人気の元NASAエンジニアYouTuberマーク・ロバーさんが、ゴルフクラブにロケットの推進力を与えたらいったいどうなってしまうのか、実際に製作して実験した様子をムービーで公開しています。
ROCKET POWERED Golf Club at 100,000 FPS - YouTube

中央に立っている男性がマーク・ロバーさんで、ロバーさんのそばにあるゴルフバッグにゴルフクラブを取り付けたような装置がロケット搭載ゴルフクラブです。ロバーさんのムービーでは本来製作行程は公開されていませんが、今回は特別に「6つの学び」に絡めて、製作秘話から実験結果までたっぷり見せてくれるとのこと。

ゴルフクラブの先端を前から見るとこんな感じ。クラブヘッドに2本の管ががっちりと接着されているのが分かります。

後ろにはロケット推進剤の噴出口が突き出ているのが見えます。

プロゴルファーのスイングでも平均して時速110マイル(時速約177km)なのに対し……

ロケット搭載ゴルフクラブはなんと時速150マイル(時速約242km)で回転してスイングします。

さっそく開発の様子を見てみます。最初はシンプルなプロトタイプを作ることから始まりました。

クラブヘッドの反対側にはおもりが付けられています。

これは、回転の重心が回転軸に重なるようにするためのカウンターウェイトです。

これがなければ、回転が増すにつれてバランスが悪くなり、ガタがきているドラム式の衣類乾燥機のように振動が発生してしまいます。

そうなると、クラブヘッドをゴルフボールに当てることもままならないというわけです。

カウンターウェイトのおかげでテストうまく回転させることができました。この発見が「第1の学び」だったとのこと。

続いて、CADを使って設計していきます。

設計図のとおりに金属を加工してパーツを作ったら……

組み立てます。

ロケット部分をエポキシ樹脂で接着して……

安全のために網で囲ったら最初のテストモデルの完成です。

ところが、実際にテストしてみると、エポキシ樹脂の接着面積が少なすぎたせいでロケットが簡単にとれてしまいました。この失敗が「第2の学び」です。

そこで、クラブヘッドを3Dスキャンして……

3Dプリンターでクラブヘッドにぴったりな形状のロケットを作成します。

ついでにロケットを二連装化。

ところが、今度はゴルフクラブが耐えられず、ねじれて折れてしまう事態が発生。この失敗が「第3の学び」につながります。

ゴルフクラブは柔らかくて曲がりやすいということが分かったので、アルミ材でがっちり補強しました。

「第4の学び」は、1秒に10回転するゴルフクラブの先端にそっとゴルフボールを置かなければならないという難題に気がついたこと。

そこで、光学センサーでゴルフクラブの回転を感知して……

最適なタイミングでゴルフのティーを下から押し上げる装置を取り付けました。

ということで、いざ点火。

最初の1打がうまくいったように見えたので、一同は大喜びでスローモーションカメラを確認します。すると……

柔らかい素材で作ったティーがしなってしまい、ティーに接着したボールがうまくゴルフヘッドに当たっていなかったことが判明。

飛距離はさんざんな結果に。

この失敗こそが「第5の学び」です。ティーが柔らかいとうまくいきませんが、かと言って固いと今度は装置が壊れてしまいます。

解決策はシンプル。ティーの先端をひもで引っ張ってしなりすぎないようにすることです。

すべての問題が解決したかに思えた矢先に、「第6の学び」となる壁にぶち当たります。これまで片方だけだったロケットを2基とも使って最高速度でためしてみたところ、装置からゴルフクラブがすっぽ抜けてしまいました。

そこで、改めて回転力を再計算してみた結果……

2つだった固定具を3つに増やすことで解決可能と判明。さっそく固定具を増やします。

ついに2基のロケットを最大速度でぶっ放します。「このイカれたダブルロケットに再挑戦だ」とロバーさん。

あまりの速度に、被写体が速すぎて映像が乱れるローリングシャッター現象に見舞われてみたり……

手伝ってくれた友人が危険にさらされたりしつつ……

ついにショットに成功。ボールはきれいな軌跡を描いてはるかかなたに飛んでいきました。

仲間と喜びを分かち合うロバーさん。

スローモーションカメラを見てみると、一直線に飛んでいくゴルフボールが確認できました。結局、ゴルフボールが一体どこに行ったかは不明だとのこと。

味をしめたロバーさんは、その後もロケットクラブでボールを自分で打ってみたり……

ボールでガラス板を割ってみたり

スイカを粉砕してみたりして遊びました。

なお、「粉々にしたスイカはスタッフがおいしく頂きました」とのことでした。

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in サイエンス, 動画, Posted by log1l_ks
You can read the machine translated English article Former NASA engineers test what happens ….