種まきから水やりまですべて全自動でできるオープンソースなDIY農作物育成マシン「FarmBot」

By Mike
3Dプリンターやレーザー加工機など、従来は非常に高価な工業製品だったものがオープンソースによって、安価かつ自作できるキットとして続々と登場しています。そんな中、種まきから水やりまで、農作物の育成に必要な作業をすべて全自動してくれる自作のコンピューター制御マシン「FarmBot」が登場しました。
FarmBot | Open-Source CNC Farming
https://farmbot.io/
種まきから水やりまで、植物栽培を全自動で行うFarmBotの様子は、以下のムービーで確認できます。
Meet FarmBot - YouTube

伸びたアームにモーターと、一見、3Dプリンターやレーザー加工機のようなマシン。

これはオープンソースで作る「CNC Farming Machine(コンピュータ数値制御農作マシン)」

インジェクションが植物の種子を吸い取って……

土壌まで移動し……

先端をぶすりと地面に突き挿して、種まきします。

上から見ると、一定の間隔で正確に種子を植える様子がよく分かります。

さらに、種子を植えた場所に、必要量の水を自動で正確に散布。FarmBotは種まきから水やりまで、プログラムで制御することで全自動化しています。

芽が出ました。

土から芽を出した植物は、それぞれが個別に管理されて育てられます。

ぐんぐん成長する植物。

FarmBotは、種類の異なる植物を全部まとめて管理可能。一つの畑に複数の農作物を育てることが可能です。

FarmBotはスマートフォンやノートPCで制御できます。

プログラミングの知識は一切不要で、土壌スペースに、育てたい野菜のアイコンをドラッグ&ドロップするだけでOKというお手軽仕様。シミュレーションゲームを楽しむように、植物育成計画を立てることができます。

育てたい植物を設定すれば、後は自動でFarmBotが植物を育ててくれます。

FarmBotのハードウェアのCADモデルやソフトウェアはオープンソースで公開されています。

さらに、サイトにはFarmBotの組み立て方法を指南するガイドもあり。

オープンソースなので、適宜、自分好みにハードウェア&ソフトウェアを改良することも可能です。

庭の大きさや土地の気候に応じた、カスタムメイドの家庭菜園を創り出せます。

FarmBotのソフトウェアの操作画面はこんな感じ。

ソフトウェアもオープンソースなので、プログラミングの知識がある人は自分好みに調整することも可能です。

CADデータも公開されており、本体のアームは幅0.5~1.5メートル、長さ1.5~3メートルの大きさで調整でき、最大耕作面積は1.4×2.9メートルとなっています。

FarmBotに必要なのは、コンピュータとしてはRaspberry Pi 3、Arduino Mega 256、RAMPS 1.4 shield。その他のモーターやローラーなども市販品でまかなえます。

そのほかに必要なパーツは以下の通り。種子を吸い上げて土壌に巻くインジェクター。

ツールを切り替えるためのマウント。

散水用のヘッド。

雑草を根から取り除く除草ヘッドなど。

プラスチックパーツについても市販用の3Dプリンターで出力できるようにデータが提供されます。

必要な金属製のフレームもレーザー加工機でカットして自作することができるとのこと。ということで、ソフトウェアからハードウェアに至るまで、FarmBotを自作することが可能です。

FarmBotはすべてがオープンソースで作られる全自動の植物栽培CNCマシンです。野菜の自家栽培だけでなくガーデニングや、商用野菜育成ロボットまで、カスタマイズ次第では応用範囲は多岐にわたるとのこと。製作元のFarmBot Incは、基本となる育成キットを2016年7月にリリース予定で現在予約を受け付けています。
オープンソースなので、改良の余地は多数あります。例えば、雨水を利用したり……

天気予報の情報によって、水まきスケジュールを微調整したり……

動力を太陽光発電でまかなったりすることが提案されています。

記事作成時点ではFarmBotの基本キットの価格は発表されていませんが、メール配信登録をしておくと最新情報を随時送ってもらえるそうです。
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