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地球を破壊できるサイズの隕石かどうかを計算できる「Impact: Earth!」


「巨大隕石が衝突して地球が破滅的被害を受ける」というのは映画などでよくある設定ですが、オンラインシミュレーター「Impact: Earth!」を使えば、隕石の大きさ、重さ、速度、衝突する角度などの条件を入力するだけで、地球に与えられる衝撃力を計算することができます。

Impact: Earth!
https://www.purdue.edu/impactearth/


これがImpact: Earth!の入力画面。画面下のテキストボックスに数値を入力して、最後に「CALCULATE IMPACT」をクリックすれば、隕石の衝撃力を計算できます。


手始めに、2013年にロシア・Chelyabinskで観測された巨大隕石で試してみます。

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まずは「Diameter(直径)」に、Chelyabinsk隕石の大きさである15(m)と入力。


なお、右下の▼をクリックすると、「スクールバス-40フィート」「小さな惑星-1390キロメートル」などが例示されるので、これらを直径として指定することも可能です。


「Density(密度)」は隕石の密度をkg/m³単位で入力する必要がありますが、よく分からない場合は、例示を参考にすればOK。今回は、「rock(岩)」の一般的な値である「3000」と指定しました。


「Impact Angle(in degrees)」は隕石が衝突する角度(入射角)を、「Impact Veloocity」は隕石の衝突する速度を「km/s」または「mile/s」で指定します。また「Target Type」では隕石が衝突する場所を、水面、地面、氷面から選択し、「DISTANCE FROM IMPACT」には、隕石の衝突場所からの距離を指定します。Chelyabinsk隕石では、それぞれ「45度」「15km/s」「地面」「100km」と設定。


最後に「CALCULATE IMPACT」をクリックすると、隕石が地球に衝突するアニメーションがスタートして計算が行われます。


出された結果はこんな感じ。項目についている緑色のチェックは算出できた項目であることを示しています。


例えば、「ATMOSPHERIC ENTRY(大気圏突入)」をクリックすると……


「高度47100メートルで分裂しはじめ、高度23500メートルで爆発し、爆発後の破片の速度は7.23km/hで、そのエネルギーは182兆ジュール」という結果が表示されました。


「Energy(エネルギー)」をクリックしてみると、隕石の衝突で生じるエネルギーは321兆ジュールで、これは7万7000トンのTNT爆弾に匹敵するエネルギーであること、およそ30.7年に1回の割合で地球に接近するレベルであるとのこと。


「Airblast(衝撃波)」には、衝突から5.19分後に44.4Pa、最大風速0.105m/s、音量33dBの爆風であると試算されています。


次に、2015年10月31日に地球に最接近すると予想されている小惑星「2015 TB145」のデータを入力してみます。

直径を「470m」、密度を鉄相当の「8000kg/m³」、入射角を「45度」、速度を「35km/s」、衝突場所を「水(水深200m)」、衝突値からの距離を「20km」に設定しました。


結果はこんな感じ。


「Crater Dimensions(クレーターの直径)」は、「17.8km」とのこと。


「Thermal Radiation(熱放射)」は、目で見える火の玉の半径は12.8km、太陽の145倍の大きさに見えること、熱放射は3億1400万ジュール/m²だそうです。


「Seismic Effects(地震への影響)」では、衝突から4秒後に大きな揺れが生じ、マグニチュードは7.8であると試算されています。


「Tsunami(津波)」は、衝突から7.5分後に高さ89メートル~178メートルの津波が到達するとのこと。


なお、「Global Damages(地球の被害)」には「地球にとって無視できない規模」「ただし、地球の軌道を変更するレベルの衝撃ではない」などと表示されました。


ここで、入射角を直撃状態の「90度」にすると……


衝突のエネルギーは2820京ジュールと大幅にアップ。これは、TNT爆弾673億トン分のエネルギーに相当し、57万年に1回というレア具合だそうです。


最後に「直径2390kmの小さな惑星」を衝突させてみます。


その他の条件は、密度が鉄相当の「8000kg/m³」、入射角が「90度」、速度が「72km/s」、衝突場所は「地面」で、衝突場所からの距離は「1km」に設定しました。


結果はというと……


衝突エネルギーは、1溝(こう)4800穣(じょう)(1.48×10^32)ジュールで、これはTNT爆弾で324垓(がい)トン分とのこと。よく分かりませんが、なんとなくすごそうなことは伝わってきます。


地球のダメージは、「100 percent of the Earth is melted(100%溶ける)」とのこと。


クレーターの大きさは直径13400kmと、地球の直径を超えてしまいました。


なお、「Your position was inside the transient crater and ejected upon impact(あなたはクレーター内にいるので衝突で吹っ飛ばされます)」だそうです。

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