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映画『攻殻機動隊ARISE-GHOST IN THE SHELL-』全4部作が2013年6月22日から順次公開


第四の攻殻が起動する」「それは『始まり』の物語」ということで、『攻殻機動隊』の新シリーズである『攻殻機動隊ARISE』の製作発表会が行われ、シリーズが6月22日から劇場版全4部作として展開されることが発表されました。

攻殻機動隊ARISE -GHOST IN THE SHELL-
http://www.kokaku-a.com/(※サイト閉鎖済み)

攻殻機動隊ARISE 公式Twitterアカウント
https://twitter.com/kokaku_a(※アカウント閉鎖済み)

出演者は総監督・キャラクターデザイン担当の黄瀬和哉さん、シリーズ構成・脚本担当の冲方丁さん、Production I.G社長でプロデューサーの石川光久さん。ゲストとして慶應義塾大学政策・メディア研究科教授の夏野剛さん、角川アスキー総合研究所の遠藤諭さんが招かれました。

イベントは「今こそゴーストの囁きに耳を傾けるとき」という、映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』から『イノセンス』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』へとつながっていく歴代シリーズの映像が流れたのち、まずProduction I.Gの石川社長が登壇しました。


「第一は士郎正宗原作のマンガ。第二の攻殻は押井守監督の映画、第三の攻殻は神山健治監督のテレビシリーズ。今回のが第四、総監督を黄瀬和哉が務めます」と、今回の攻殻機動隊の位置づけを語った石川社長。

総監督の黄瀬和哉さんを「I.Gの最終兵器」と表現し、「使わないから最終兵器なのに、なぜ使うことになったのか」について、2つの理由を挙げました。1つは、20代前半から作画監督やキャラクターデザインでI.G作品を支えてきた黄瀬さんが50代となり、ここを逃してしまうと使う時機を逸してしまうというタイミングだったこと。もう1つは、『攻殻機動隊』というタイトルが日本だけではなく世界中にファンがいる作品で、2Dよりも3DCGアニメの流れとなりつつある中で、2Dアニメーションのすごさを見せつけたいということ。強い気持ちで黄瀬さんが総監督を務めることになった中で不安点は「お話」だったものの、そこに黄瀬さんが全幅の信頼を寄せる冲方丁さんがシリーズ構成として入ることになったので、このプロジェクトが始動することになったそうです。

イベントの前半部分では、ゲストとして『攻殻機動隊』の大ファンだという夏野剛さんと遠藤諭さんが登壇し、石川さんとともにトークを行いました。

原作から読んでいた夏野さんはアニメに出会ったとき「こんなアニメがあったのか」と衝撃を受けたそうです。夏野さんはSFの中でも、物理学の法則にできるだけ忠実であろうとする制約の中で未来を予想していくという「ハードSF」が好み。「こういう技術はこう使われるだろうな」と、出てくる小道具をシミュレートして、現実に出したりしたそうです。『攻殻機動隊』はそんな作品の中でも特にリアリティがあり、時代がだんだん攻殻に追いついてきているのが怖いぐらいに思っているとのこと。『攻殻機動隊』が極めてあり得そうな未来を描いていることから、「家電メーカーの経営者は攻殻を見ていなかったら辞任しなさい」「これほど丁寧に描写してくれいている作品はありません、それを実現しなくてどうする」と強く語りました。

遠藤さんは現在、BMI(ブレイン・マシン・インターフェイス)についての連載をしており、脳とコンピュータが繋がりつつあると語りました。だんだん、ありとあらゆるものがネットに繋がってきていて、次につながるものはもう身体しかないのではないか、裏返すと、ネットを作るということは我々自身とは何なのかという問いかけだったのではないか、と遠藤さん。今現在、ハードウェアである肉体からどうやって心が生まれたかというのが旬なテーマになっているそうです。

『攻殻機動隊』にあって現実にないテクノロジーは数少なくなってきた、という夏野さん。すでに夏野さん自身、iPad miniを常に持ち歩いていて何かわからないことがあればすぐに調べられる状態にあって、あとは攻殻のように有線でも無線でも接続できれば完了というところまで来ていてるので、これはもう20年とかからないのではないかという見方を示しました。また実際、「義体」技術についてもかなり進んでいて、義足の人の方が走りが早いという時代が来ており、「義体」の人の方が能力が高い時代は10年で来るのではないかとのこと。技術の進歩については遠藤さんも夏野さんと同じ見方を示しました。

しかし、石川さんによれば、『攻殻機動隊』の原作者である士郎正宗さんは「人間には意外と抑制力がある」と考えていて、20年あれば車が宙に浮いていてもおかしくはないが、進んだかと思うと戻りたがる振り子のような性質があるから、と考えているそうです。

1980年代から90年代に『攻殻』を見られたおかげでスマートフォンが目の前に現れたときに驚かなかったという吉田アナは、『攻殻機動隊』を「未来に無駄な抵抗感を抱かなくさせる作品」ということで「未来への処方箋」と表現。

作品に対する期待として、夏野さんからはここ数年のITテクノロジーの進化で、現実よりもはるか先を行っている『攻殻機動隊』がどういった刺激を受けて、作中でどのように表現されるのかが楽しみだと語りました。

以下が世界初公開されたPV映像の中身、OP映像は一切なく、すべて本編映像のみで構成したものだそうです。


陸軍機密部隊【501機関】所属


全身義体


自我・記憶・未来への希望


劇場では6月22日(土)から『攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain』を2週間限定上映。さらにBlu-rayは劇場先行発売でシナリオ付き、税込8000円。全4部作で本編は約50分。


有料配信も6月22日(土)よりスタート。Blu-rayとDVD(本編約50分+映像特典)の一般販売は7月26日(金)よりスタート、Blu-rayが税込7140円、DVDが税込6090円


劇場前売鑑賞券は3月30日(土)より発売開始、さらにコミカライズが3月13日(水)発売の月刊ヤングマガジン第4号から『攻殻機動隊ARISE~眠らない眼の男 Sleepless Eye~』連載開始。


有料配信はdアニメストアなどで配信開始予定


コミカライズ版の絵柄が右下に見えます


ここで、イベント登壇者が交代し、総監督・キャラクターデザインの黄瀬和哉さんと、シリーズ構成・脚本の冲方丁さんが登壇。

若手アニメーターの育成プロジェクトである『アニメミライ』では監督をしたものの、劇場やテレビではまだ監督をしたことがないという黄瀬さん。この作品は、2010年に石川さんが士郎さんと「新しい『攻殻機動隊』を作りたいね」という話をしたところからスタート。士郎さんが出してきたプロットやキャラ原案を石川さんは「これを読解し、受け取れるのは冲方さんぐらいだ」と冲方さんへパスし、それから黄瀬さんのもとに監督の話が来たそうです。

当初は「社命として下りてきた」と語った黄瀬さんですが、キャラクターデザインとして最初に描いたものは士郎さんから「男性キャラクターがリアルだから、素子もそちらに寄せて欲しい」と要望を受け、最初の『GHOST IN THE SHELL』から派生したようなデザインへ変更しました。そうやって上がってきたデザインは、石川さんいわく「これはヤバイ、黄瀬が本気になった」と30年以上の付き合いの中でも初めて心が震えるものだったとのこと。

シリーズ構成・脚本を引き受けた冲方さんは『攻殻機動隊』から大きな影響を受けたので、恩返しの気持ちと挑戦の気持ちとの2つで作品を作っていくという意気込みを語りました。『ARISE』のプロットを受け取ったときは「こんな情報が見られて嬉しい」という思いと同時に「こんなことも考えていたの!?」という気持ちもあったとのこと。ただ、士郎さんの設定にはビジョンが明確にあって自由度も非常に高く、「これを見て何が作れる?」と問われているようなものだったので、監督と綿密に話をしつつ作っていると語りました。

物語としてぶれてはいけないのは「草薙素子という人間の物語」だと語った冲方さん。素子を人間として捉え、生い立ちや、なぜ草薙素子は草薙素子になったのか、テクノロジーが発達しているからこそ浮き立ってくる人間の生々しさのようなものにも目を向けて作っているそうです。プロット自体はその自由度の高さから、過去にも未来にも振ることが可能だったそうですが、会議の中で過去にすることが決まり、『攻殻機動隊ARISE』というタイトルが決定した瞬間に、第四の『攻殻機動隊』とはこういうものだといろいろ動き出したのが感じられたとのこと。

2010年に始動したにもかかわらず時間がかかったことについては、一口には言えないものの「黄瀬さんの描いてきた素子がヤバかった」と石川さん。黄瀬さんの描くキャラクターはこれが完成形ではなく、動いて、作画監督修正が入ってようやく完成するので、見た瞬間にお客さんに勘違いされるヤバさであり、相当クオリティが高くないといけないため現場もヤバく、時間がかかることは当初から予想できていたそうです。

作品作りについては冲方さんからも妥協なく作っていることが明かされました。これまでにアニメ脚本を何本も手がけている冲方さんは、脚本でさらっと書いたことでも現場では大作業になることを理解しているため、当初は大きな作業にならないようにと考えていたそうですが、何を書いても黄瀬監督はまったく反対せず、誰もNGを出さないためどんどんタガがはずれていき、それが積み重なっていく中で自身の感覚も麻痺してきて、「大丈夫かなI.G……でも大丈夫だな」と考えているそう。実際、PVを見て「I.Gに関しては、手加減の必要がないので楽ですね」と現場へ寄せる信頼を見せました。

音楽に関しては、これまで川井憲次、菅野よう子と世界に名を馳せる人が担当してきたことで、製作委員会からは「これまでが偉大すぎる、攻殻世界を作り出せる人はいるのか」との声もあったものの、この世界を自分で構築でき、世界に発信できるのではないかということでコーネリアスが選ばれました。コーネリアスからは『ARISE』の音楽をつけることで、これまでの攻殻とは違うものを出せればとのメッセージが寄せられました。

そして、イベントで明かされた新要素がキャスティングについて。『ARISE』は2029年を舞台にした押井版よりも2年前、公安9課に素子が誕生するまでの話で「新しい『攻殻』」といってもいいということで、キャスティングが一新されることになりました。声は、あまり声優に詳しくないという黄瀬さんがデモを聞いて判断したものだとのこと。


草薙素子:坂本真綾


バトー:松田健一郎


トグサ:新垣樽助


イシカワ:檀臣幸


サイトー:中國卓郎


パズ:上田燿司


ボーマ:中井和哉


荒巻大輔:塾一久


特別ゲストとして、『GHOST IN THE SHELL』や『STAND ALONE COMPLEX』で「コドモトコ(草薙素子の少女義体)」を演じ、自身も攻殻ファンだという坂本さんが登場。今回、草薙素子役に選ばれたことについては、黄瀬監督は「コドモトコ」だからと選んだわけではなかったそうですが、かなり強く坂本さんを推したとのこと。

それぞれからのメッセージは以下の通り。

坂本真綾:
キャスト一新ということで、私たちもすごく緊張していますが、『ARISE』の世界を作っていく一部として、みんな一人一人頑張っていきたいと思っています。1995年の映画に参加した時は15歳だったんですが、いま32歳になって、また同じ延長線上で演じられるということに本当にご縁を感じています。とにかく、愛情を持って全てをかけて、この大切な役柄を演じさせていただきたいと思っているので、よろしくお願いします。

冲方丁:
僕も『攻殻機動隊』を初めて知ったのが16の時でした。それから20年、これまで自分が学んできたものをこの作品にすべてたたき込み、全力を尽くします。

黄瀬和哉:
今までは絵だけを描いていれば良かったんですが、これからは他のこともいろいろ頑張っていかなければいけません。なるべく期待に添えるように頑張りますので、スタッフ共々現在も頑張っています、どうか、よろしくお願いします。

石川光久:
今回、黄瀬が総監督をやって、そうそうたる作監の顔ぶれ。ベテランの意地があって、そこに中堅若手が戦いを挑んでいくチームができています。みなさんに感動を夢を与えたいと思っていますので、よろしくお願いします。

吉田尚記:
僕も19歳の時に『GHOST IN THE SHELL』の上映会を見に行きました。そのころに同じく見た方々が第一線に出てきて、大人の恩返しとしてやられる作品かなと思っています。今日、ご登壇の方々、僕のレギュラー番組に連れて行きます。ニッポン放送のミューコミ、よろしければ24時から放送を聞いていただければと思います。

Production I.G社長・石川光久さん、総監督・黄瀬和哉さん、草薙素子役・坂本真綾さん、シリーズ構成・冲方丁さん。


最後にOP映像が流されました


イベント終了にあわせて公式サイトが更新されています。


新たなキービジュアルは素子の他に公安9課メンバーが加わったもの。作品の時代がGHOST IN THE SHELLより2年前ということで荒巻をはじめみんな少しずつ若返っています。


新しいプロモーション映像も公開中です。

「攻殻機動隊ARISE」先行PV - YouTube

©士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊ARISE」製作委員会

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